中国で、厳しい新型コロナウイルス対策への抗議が大都市へと広がっている。27日夜には、首都北京や金融ハブの上海でも抗議デモが行われた。
抗議デモでは多くの人が白い紙を掲げ、政府への不満を表明すると同時に、言論が検閲されていることをアピールした。一部には、習近平国家主席の辞任を求める人もいた。
抗議行動は、南西部の成都市、中部の西安市、武漢市でも起きた。武漢市は約3年前に新型ウイルスの感染流行が始まった都市。
今回の抗議行動は、北西部のウルムチ市での抗議行動に続くもの。同市では24日に集合住宅の火災で10人が死亡し、ロックダウンの規制が救助活動を妨げたと非難されている。当局はこれを否定している。
中国政府は「ゼロコロナ」政策を3年近く続けており、何百万人もの国民が集団検査、隔離、突然のロックダウンなどの影響を受けている。
政府を直接批判することは、中国では厳しく罰せられる。そのため、大勢が公然と共産党指導部に怒りをぶつけるのはかなり異例なことだ。
警察は多くの場所で、抗議の集会が続くのを認めている。ただ上海では27日、数人が逮捕され、いくつかの通りが封鎖された。
「習近平、辞めろ」のかけ声も
北京の河川敷には27日、数百人が集まり、国歌を歌ったり、演説を聞いたりした。
ソーシャルメディアに投稿された画像や動画には、市内にある名門の清華大学で数十人が平和的な抗議行動をし、国歌を歌う様子が映っている。
武漢でも、住民数百人が街頭に出て、その一部がバリケードを倒したり、金属製のゲートを破壊したりしたことが、ソーシャルメディアに投稿された動画からわかる。
中国最大都市の上海では27日、「ウルムチ通り」一帯で警察が厳重な警戒態勢を敷いた。ここでは前日、ろうそくをともす集会が抗議行動に発展した。
BBC記者は、警官、民間警備員、私服警官らが、2日連続で集まってきた抗議デモ参加者たちと向き合っている様子を目撃した。
AFP通信は現地にいた人の話として、この日午後には数百人が白い紙を手に同じ場所に戻り、それを掲げて沈黙の抗議とみられる行動をとったと伝えた。
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上海で26日夜にあった抗議行動では、「習近平、辞めろ」「共産党、退陣しろ」といったスローガンが公然と叫ばれるのが聞こえた。
こうした要求は、中国では極めて異例だ。
上海で抗議デモに参加していた男性は、人々が街頭に出ているのを見て「衝撃を受けたが、少し興奮した」とBBCに話した。また、これほど大規模な抗議を国内で見たのは初めてだとした。
この男性は、ロックダウンで「悲しみ、怒り、絶望」を感じているとし、がんで治療中の母親にも会えなくなったと述べた。
BBCのスティーヴン・マクドネル中国特派員(北京)は、政権維持が最優先の中国共産党にとって、今回の抗議は大きな難題となっていると説明。政府は国民の「ゼロコロナ」政策への不満の高まりを、大幅に過小評価してきたようだとした。
また、習氏が最近も、同政策をやめることはないと宣言していることをふまえて、共産党は自ら招いた窮地から簡単には抜け出せない状況に陥っていると伝えた。
同特派員はさらに、中国政府は3年という時間があったものの、集中治療病棟の増設やワクチン接種には力を入れず、大規模検査やロックダウン、隔離施設に膨大な資源を注ぎ込み、決して消え去ることのないウイルスとの戦いに勝とうとしてきたと指摘した。
一方、テッサ・ウォン記者(シンガポール)とネイサン・ウィリアムズ記者(ロンドン)は、中国で人々が大挙して路上に出て、習氏の辞任を求めることは、少し前までは考えられないことだったと説明。
ゼロコロナ政策と感染拡大
新型ウイルスをめぐっては、多くの国がある程度の「共存」を受け入れているなか、中国は「ゼロコロナ」政策で撲滅を目指している。
中国政府は、同政策が命を救うとしている。新型ウイルスによる死者数はこれまで低く抑えられており、公式発表で5200人強となっている。
これは100万人当たりに換算すると3人で、アメリカの3000人、イギリスの2400人を大きく下回っている。
ただ、中国ではこのところ、1日当たりの感染者数の最多記録を更新している。北京や南部の貿易拠点の広州などの大都市では、感染が急拡大している。
23日には1日当たりの感染者数は過去最多の3万1527人に上った。これまでのピークは4月の約2万8000人だった。
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2022-11-28 03:11:40Z
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