Sabtu, 03 Oktober 2020

米政権・議員に感染者複数 ホワイトハウスで拡大か - 日本経済新聞

【ワシントン=永沢毅】米政権中枢のホワイトハウスで、新型コロナウイルスの感染者が相次いでいる。トランプ政権が開いた行事がクラスター(感染者集団)の発生源となった可能性がある。11月3日投開票の大統領選が1カ月後に迫るなか、トランプ大統領が入院するなど、米政治は混迷を深めている。

「新型コロナの追加対策の与野党協議はどうなっているのか」。メドウズ大統領首席補佐官は2日朝にトランプ氏からこう尋ねられ、5、6点の指示を受けたと記者団に明かしていた。感染判明後も大統領の執務の継続に支障はないと印象づける狙いがあった。

それでも、昼すぎに予定していたコロナ対策を巡る電話会議へのトランプ氏の出席は見送りとなった。さらに2日夕には入院したとの情報が伝わり、事態は一気に緊張した。米メディアは熱やせきが出て、2日午後にかけてトランプ氏の病状が悪化したと報じた。

「体調は良好だが、念のために確認してもらう」。トランプ氏は2日夕、ツイッターに投稿した動画メッセージでこう強調し、懸念払拭に努めた。米CNNによると、大統領周辺はトランプ氏の疲れがひどく、呼吸に問題があり、症状は「深刻だ」と語っている。別の政府当局者は「現状は問題ないが、容体の急変を危惧している」という。

ホワイトハウスは「大統領は職責を果たしている」として大統領としての権限に変更はないと説明している。現状の容体ならば、ペンス副大統領への権限委譲は不要との見方が多いが、予断を許さない状況が続く。

トランプ氏が感染した経路は不明だが、9月26日にホワイトハウスで開いた連邦最高裁判所の新判事の候補を紹介した行事がクラスターにつながったとの見方が浮上している。米メディアの話を総合すると、このイベントだけで2人の上院議員を含む少なくとも6人の感染が明らかになった。

これ以外にもホワイトハウス記者会からも3人の感染者がでた。トランプ氏をはじめ大半の出席者はマスクを着けず、社会的距離(ソーシャルディスタンス)も確保していなかった。こうしたトランプ氏と周辺のコロナに対する危機感の甘さが、ホワイトハウスを舞台にした感染拡大の一因になったのは否めない。

大統領選への影響も計り知れない。トランプ氏の陣営は同氏が参加を予定していた集会をオンライン開催に切り替えたり、延期したりする。3日は中西部ウィスコンシン州での選挙集会を取りやめ、公式の日程を入れなかった。テレビ討論会で民主党候補のバイデン前副大統領と激しい非難合戦を繰り広げるなど、支持率で先行を許すバイデン氏への追い上げを狙っていたトランプ氏だが、感染で選挙活動の縮小を迫られている。

バイデン氏もひとまず攻撃姿勢を封印する。2日には「党派の争いをしている場合ではない。国家として結束する必要がある」とツイートした。その後に訪れた中西部ミシガン州での演説で「これは政治の問題ではない。このウイルスを真剣に受け止めないといけないとの警告だ」と訴えた。

厳しい感染防止策を訴えてきたバイデン氏にしてみれば、コロナ脅威を軽んじてきたトランプ氏の罹患(りかん)は格好の攻撃材料となる。とはいえ、国家の非常事態ともいえる状況で政治的利益を優先させれば逆に批判を浴びる。ひとまず選挙戦「休戦」を打ち出す背景には、そんな政治判断がにじむ。米メディアによると、トランプ氏批判の広告も一時停止する方針だという。

主要国の首脳ではジョンソン英首相が新型コロナに感染した例などがある。ジョンソン氏は症状悪化で一時的に集中治療室(ICU)に入った。回復して首相の執務に復帰するまでには約1カ月を要した。11月3日の投開票まで残り1カ月。現職大統領の健康不安という異例の事態に直面する大統領選は不確実性を増し、着地点を見通しにくくなっている。

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2020-10-03 11:08:22Z
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