ジョンソン英首相は10日の声明で、国内の新型コロナの死亡率や入院率は低下しているとの見方を示した=ロイター
【ロンドン=中島裕介】英国のジョンソン首相は10日夕(日本時間11日未明)の声明で、3月23日に導入した外出制限の緩和計画を公表した。まず11日の週から規制を小幅に緩め、人との距離を保つことを前提に建設業や製造業などでの出勤を奨励する。1日1度としていた運動のための外出回数の制限も取り払う。休業中の店舗は6月から段階的に営業を認め、7月には飲食店も再開させたい方針だ。
緩和計画は3段階に分けた。これまで英政府はできる限りの在宅勤務を要請してきたが、11日からは家で仕事が困難な労働者として建設業や製造業などの業務再開を奨励した。ラッシュアワーを避けるため出勤の際には極力、公共交通機関を使用せずに自転車や車などを使うよう求めた。一般市民の運動のための外出回数の緩和は13日から始まる。いずれも人と距離を置くことが条件で、仕事や運動以外での外出自粛の要請は継続する。
現在は食品や医薬品店など一部の店舗のみ営業を認められているが、6月の第2段階では小売店などその他の店舗の段階的な再開を認める。学校も小学校の低学年から順次再開する方針だ。第3段階の飲食店や宿泊などのサービス業の再開は7月を目指すとした。
ただジョンソン氏は感染が再び拡大した場合には計画通り経済活動を再開させないこともつけ加えた。1人の患者から新たに何人に感染するかを示す「再生産数」が順調に下がっていくことが条件となる。ジョンソン氏は10日時点では1未満にあると説明した。
一方で海外からの感染封じ込め策は強化する。ジョンソン氏は10日の声明で「まもなく空路での入国者の検疫が課されることになる」と表明。英BBCは英政府が入国者に14日間の自己隔離を求める方針だと報じた。
英国ではジョンソン氏自身も新型コロナウイルスに感染し、米国に次ぐ約3万2千人が死亡するなど甚大な被害が出ている。ドイツなどに比べて感染抑制策が遅れた影響が大きく、制限の緩和でも店舗再開が始まっている欧州各国より遅れ気味の計画となっている。
英政府は計画を英全土で実施することを前提にしている。一方でイングランド以外の3つの地域の行政府が独自の対策を打ち出すことも可能だ。
ジョンソン氏は外出制限の小幅緩和を受けて、コロナ対応のスローガンを「ステイ・ホーム」から「ステイ・アラート(警戒を続けよ)」に変えた。だが英北部スコットランド行政府のスタージョン首相は10日、ジョンソン氏の判断は時期尚早として「ステイ・ホーム」のスローガンを維持すると語った。
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2020-05-10 20:07:13Z
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