Selasa, 19 Mei 2020

ついに「断交」まで口にしたトランプの怒りの本気度(JBpress) - Yahoo!ニュース

 (古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 米国のトランプ大統領が、新型コロナウイルス拡散に関する中国の責任を厳しく追及している。中国への批判は日増しにエスカレートし、ついに中国との関係の全面断絶をしてもよい、とまで発言した。

 中国側はこの発言に対して「トランプ大統領は正気を失った」と激しい反発をみせながら、懸念もちらつかせる。さて、このトランプ発言をどう読めばよいのか。米中関係はどうなるのか。

■ 「断交」という言葉をはっきり口に

 トランプ大統領が中国との断交という言葉をはっきりと口にしたのは、5月14日、FOXビジネスネットワークのテレビインタビューにおいてだった。トランプ大統領は中国の武漢で発生した新型コロナウイルスの感染が米国に大被害をもたらしたことへの対応について問われて、次のように答えた。

 「ウイルス問題での中国への対応にはいろいろな道があるが、対中関係をすべて断交することもできる」

 この発言は、米国が受けた新型コロナ感染被害は中国政府の隠蔽工作などに責任があるという前提に立った対中抗議だった。トランプ大統領は中国政府への非難として賠償金の請求や経済交流の縮小など様々な応策を論じてきたが、断交はそのなかの究極の手段ということになるだろう。あくまでも多様な手段のなかでの究極の可能性として提起したわけだが、それでも「すべての関係のcut off(断絶)」という言葉を明確に使った意味は重い。

■ もはや貿易交渉よりもウイルス問題が重要

 この発言の根底にあるのは、新型コロナウイルス感染拡大に関する中国への激しい怒りだった。同大統領はその怒りをすでに公の場で何度も表明してきた。5月6日の次の発言がその代表例である。

 「コロナウイルス感染は米国内で決して起きるべきではなかった。発生源である中国の内部で阻止できたはずなのだ。だが、阻止されなかった。そのことに私は強い怒りを覚える」

 FOXインタビューのなかでも、コロナウイルス感染に関しての中国への怒りや失望を、次のように熱をこめて語っていた。

 「この感染症の拡大の責任は中国政府にある。感染拡大をコントロールすべきであり、実際にできたのに、しなかった。中国政府がウイルスの抑制をしないという決定を実際にしたのかどうかはわからないが、現実には抑制はされなかったのだ。この点について米国は大量の情報を持っている。ウイルスが中国の研究所から出てきたのか、それともコウモリからの発生なのか、まだ確定はできないが中国で発生したことは間違いない。中国はそれを防ぐべきだった」

 「私は中国に深く失望している。中国と貿易交渉を続けてきて、この1月にはやっと第一段階の合意を成立させたところだった。だがその直後にこのパンデミックが中国から米国を襲った。私は中国に対して、これまでのような気持ちは抱けない。習近平主席とは良好な関係を保ってきたつもりだが、今はもう彼と話す気はしない」

 周知のようにトランプ大統領は就任以来、中国への強固な政策をとり続けてきた。まず経済面で中国の「不公正な貿易慣行」を是正することを最大目標に掲げ、同時に歴代政権の中国への「関与政策」を捨てて、中国の軍事膨張や経済攻勢、人権抑圧などを抑止する政策を強化してきた。その結果、米中関係は対立の方向へ大きく傾いていたが、貿易問題ではやっと第一段階の合意がまとまり、1月15日にその合意の調印をしたところだった。

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2020-05-19 23:01:05Z
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