Senin, 12 Februari 2024

トランプ氏のNATO発言、内外に波紋-同盟への影響巡り新たな議論 - ブルームバーグ

トランプ前米大統領が10日、国防費のコミットメントを満たさない北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対しては、ロシアが好きなように侵攻するのに任せると在任中に欧州の首脳に語ったとするエピソードを明らかにし、波紋が内外に広がっている。

  NATO加盟国当局者の間では、米大統領選の共和党候補指名獲得に急速に近づくトランプ氏について、返り咲きを果たす可能性があるとして懸念が浮上するとともに、同盟にどのような影響をもたらすかあらためて議論が繰り広げられている。

  NATOに関するトランプ氏の発言を巡り、民主党のマンチン上院議員は11日、ロシアのプーチン大統領と米国にとって「恐ろしい」メッセージを送るものだと指摘。同党のフェターマン上院議員は「驚くべき」かつ「大それた」ものだと話した。

トランプ氏「責任果たさない加盟国守らず」-NATO防衛義務に言及

  一方、トランプ氏に近い共和党上院議員は同氏の発言を擁護。グラム上院議員は「私はそれに全く心配していない」とした上で、「トランプ氏がNATO脱退に動くことはなく、同氏が大統領になった場合、ロシアが最も望まないのは戦争を始めることだ。彼は単に主張しようとしているだけだ」と述べた。

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サウスカロライナ州コンウェイでの選挙集会で演説したトランプ氏(2月10日)

Photographer: Julia Nikhinson/AFP

  ホワイトハウスは10日夜の声明で、「米国の国家安全保障、世界の安定、そして国内経済を危険にさらす」としてサウスカロライナ州の選挙集会でのトランプ氏の発言を直ちに非難。また、今年の大統領選で再選を目指すバイデン大統領は陣営の声明で「驚くべきもので危険」な発言だと論じた。

  NATOのストルテンベルグ事務総長は11日の声明で、「同盟国が互いに防衛し合うことはないとの示唆は米国を含むわれわれ全ての安全保障を損ない、米欧の兵士へのリスクを高める」とコメント。米大統領選で誰が勝利しようとも、米国がNATOの強力な同盟国の一つとしてコミットメントを続けると期待していると表明しした。

  欧州連合(EU)のミシェル大統領はX(旧ツイッター)への投稿で、NATOの安全保障および連帯に関する「無謀な発言」はロシアのプーチン大統領を利するだけだと指摘。欧州委員会のブルトン委員(域内市場担当)はLCIテレビで、トランプ氏が当選しても欧州として米国に対処することはできるとしつつも、米国の民主主義は「病んでいる」との見方を示した。

  ドイツのメディアグループ、フンケが伝えたところでは、同国の緑の党で共同代表を務めるオミッド・ノリポーア氏はトランプ氏について、「彼は大西洋の向こう側の民主的なパートナーよりも、プーチン氏に近いことを重んじる」姿勢を既に示しており、このため国際的な責務を無視する用意があるということだと語った。

原題:Trump’s NATO Remark Sparks Political Storm in World Capitals (1)(抜粋)

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2024-02-12 03:19:13Z
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