イスラエルは17日、パレスチナ自治区ガザ地区への燃料の搬入について、1日あたりトラック2台分を容認すると発表した。ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスに対するイスラエルの地上作戦が続く中、同地区は深刻な燃料不足に陥っており、イスラエルは燃料の搬入を認めるようアメリカから圧力を受けていた。
米国務省関係者によると、2日ごとに計約14万リットルの燃料の搬入が許可されたという。
搬入される燃料の大半は、援助物資を運ぶトラックや、国連による水の提供や衛生支援活動に充てるためのもの。
残りの燃料は、燃料不足によって遮断されていた携帯電話やインターネットサービスの維持に使われる。
ガザ地区に通信手段を提供している会社は17日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)を通じて燃料の一部を受け取り、その後サービスが回復したとしている。
米政府関係者は、イスラエル側の合意を取り付けるために、米政府は相当な圧力をかけたと話した。
この関係者によると、燃料の搬入については数週間前に大筋で合意していたが、イスラエル側の2つの理由により延期されていたという。イスラエル政府関係者はアメリカ側に、ガザ地区南部では実際に燃料が枯渇したわけではないと伝え、まずは人質の解放交渉を実現できるかどうかを待ちたかったと話したという。
UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長は16日、燃料不足によって活動を全面的に停止せざるを得なくなるかもしれないと警鐘を鳴らしていた。
UNRWAは最新報告の中で、「基本的な人道活動のために毎日16万リットルの燃料が必要」だとしている。これは、今回合意に至った搬入量の2倍以上だ。
イスラエル政府関係者は先に、新たに合意した燃料について、国連を通じてラファ検問所からガザ地区南部の民間人のもとへ運ばれるが、ハマスには届かないようにすると述べた。
イスラエルは燃料がハマスに盗まれ、軍事目的に使用されるおそれがあるとして、ガザ地区への燃料の流入を阻止してきた。
燃料不足と人道危機
前出のイスラエル政府関係者によると、燃料は同地域でまん延しかねない伝染病の発生を防ぐために、上下水道や衛生システムに「最小限の」支援を与えるのに使われる。
複数の国際機関は、ガザ地区の人道状況への深刻な懸念を繰り返し表明している。
世界保健機関(WHO)はこれまでにも、ガザ地区では燃料不足とイスラエル軍の砲撃によって、医療システムや衛生設備が著しく損なわれ、病気のまん延について「憂慮すべき傾向」がみられると警告している。
パレスチナにおけるWHO代表を務めるリチャード・ピーパーコーン氏は17日、急性の呼吸器感染症が7万件以上、下痢の症状の訴えが4万4000件以上記録されていると明らかにしたと、ロイター通信は報じた。これらの数字は、予想を大幅に上回るものだという。
ガザ地区の海水淡水化プラントの稼働や、一般家庭や病院への電力供給、衛生面、輸送や通信インフラの維持には燃料が欠かせない。
同地区の各地に援助物資を届けるのにも、燃料が必要になる。
この戦争が始まる以前は、ガザ地区で消費される電力の大部分をイスラエルが供給していた。電力の一部を生産していた同地区唯一の発電所は、もはや機能していない。
ヨルダン川西岸地区にイスラエルの空爆と
こうした中、赤新月社によると、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区ナブルスにあるバラタ難民キャンプの建物がイスラエル軍の空爆を受け、少なくとも5人のパレスチナ人が死亡した。
イスラエル側はこの報告について確認中だとした。
アントニー・ブリンケン米国務長官はイスラエルに対し、「過激派の入植者による暴力行為の度合いが高まっている。これに立ち向かうことも含め、ヨルダン川西岸地区の緊張を和らげる」ための「緊急の」行動をとるよう求めている。
イスラエルの空爆は、同国がヨルダン川西岸地区の2つの別々の対立で少なくとも7人の武装派を殺害したと発表した翌日に起きた。
イスラエルによるガザ地区の包囲と軍事作戦は、10月7日のハマスの残忍な攻撃を受けて始まった。イスラエル当局は、ハマスがイスラエルの民間人を中心に約1200人を殺害し、230人以上を人質にとったとしている。イスラエルやイギリス、アメリカなどは、ハマスをテロ組織に指定している。
ハマスが運営するガザ地区の保健省は、イスラエルの報復攻撃で少なくとも1万2000人が殺害されたとしている。
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2023-11-18 04:13:52Z
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