Sabtu, 12 Agustus 2023

幼い子どもが軍服姿で「奉仕できます!」ロシアで加速する“軍国教育” 高校生の軍事訓練映像を独自入手【戦争と子どもたち】(2023年8月12日)|BIGLOBEニュース - BIGLOBEニュース

いまも続く、ロシアによるウクライナ侵攻。戦争を行うロシアが自国の子どもや、ウクライナの子どもに何をしているのか…。TBSテレビ「つなぐ、つながるSP 戦争と子どもたち 2023→1945」では、ロシアの高校生を対象とした軍事訓練の映像を入手。取材で明らかとなったのは、自らの行動を正当化しようとするために行う教育の強化でした。

幼い子どもが軍服姿で「奉仕できます!」

終わりの見えない戦いが続くなか、いまロシアで加速しているのは子どもたちへの“軍国教育”です。

プーチン大統領が行った、子どもたちへの特別授業では…。

ロシア・プーチン大統領
「われわれの使命は、この戦争を終わらせ、住民を守りロシアを守ることなのだ」

大統領自らが、ウクライナ侵攻の正当性を主張し、戦争の大義を訴えたのです。

ロシアの戦勝記念日には、ロシア製戦車のおもちゃを作り、ロシアの国旗を前に「私たち勇敢な特殊部隊は、皆さんのために奉仕できます」と忠誠を誓う子どもたちの姿も。ロシア国内では、戦意を高揚させる映像が次々と流れています。

さらに、ロシア軍は今年の9月から高校生を対象とした軍事訓練などを国全体で義務化することを決定。現在、その義務化に先駆けて、一部の地域ではすでに高校生への軍事訓練が始まっているというのです。

今回、その訓練映像を入手。そこには、まだあどけなさが残る少年たちが銃や兵器について学ぶ姿がありました。

高校生が銃を構え…「10番に命中!」今秋から軍事訓練が義務化

ロシアとウクライナとの国境からわずか40キロの町、ロストフ。国防省の施設で訓練が行われていました。

集まっていたのは15歳から17歳の少年100人。夏休みの5日間、寝食をともにし、訓練に励むといいます。

教官
「君たちは、戦地にいる仲間に代わって、いつでも戦う準備をしなさい!」

講義では、教官が少年たちを戦争に駆り立てるような場面も。

訓練用の銃を使った、組み立てや分解に加えシミュレーターを使った射撃訓練も行われていました。

「10番に命中!」

毒ガスや生物兵器を想定した訓練では、実際に戦場で使われている防護服を着用。

教官
「手袋は袖の中に入れろ。ここを裏返すんだ!」

そして訓練の最後には、参加した高校生と教官たち全員が直立不動で、ロシア国歌を斉唱しました。

参加した高校生
「訓練を通して祖国への愛が、もっと深いものになりました」

ロシアはあらゆる手段を駆使して、子どもたちを戦争に巻き込もうとしています。

ロシア最大の戦争犯罪?「子どもの連れ去り」

一方、ロシアがウクライナ侵攻の裏で推し進めているのが、ウクライナの子どもの「ロシア化」です。

ウクライナの監視カメラが捉えたのは、ロシア軍兵士たち。孤児院にいる子どもたちを連れ去る様子が映像に残っています。

連れ去られたのは、生後4か月の赤ちゃんから17歳までの子どもたち約2万人。こうした“連れ去り”は、ロシアによる最大の戦争犯罪のひとつです。

しかし、ロシアで子どもの権利を担当するリボワベロワ大統領全権代表は「子どもたちは両親の許可を得てロシアで保護しています。誰も無理やり連れてきてはいません」と、子どもたちは、あくまで保護しただけ…と、連れ去りを否定しているのです。

連れ去りの実態についてJNNの取材に応じてくれたのは、13歳のカテリーナさん。

カテリーナさんは、クリミア半島でのキャンプに参加したところ、ロシア側に別の施設に連れていかれたといいます。その時の様子について…。

カテリーナさん(13)
「(施設の人に)『いつ帰れるの?』と聞いたら、『君の住む町がロシアの領土になったら帰れるよ』と言われました。永遠にここにいるのかなと思い、言い表せないほど怖かったです」

こうした施設では、ロシア人になるための再教育が行われる場合があるといいます。

カテリーナさん(13)
「立たされ、ロシア国歌を聞かされました。立たない子は、理由を書かされ…。みんな、帰りたかったです」

アメリカ・イエール大学の調査によると、連れ去った子どもを収容する施設は43か所あり、ウクライナ語を禁じ、ロシア語を話すよう強制される場合もあるというのです。

ロシア高官「保護しただけ」父親「そんなこと頼んでない」

「一番大切なのは子どもたちの未来です」。こう語るのは、ロシアによる子どもの連れ去りを主導したとされるリボワベロワ大統領全権代表。

プーチン大統領とともに、「連れ去りは最大の戦争犯罪」として国際刑事裁判所から逮捕状も出ている人物です。

彼女が推し進めているのは、再教育だけでなく、ウクライナの子どもたちをロシア人にすることです。

リボワベロワ氏が自身のSNSに投稿している動画には、ロシア人の養父母がウクライナの子どもたちを養子に迎える様子も…。

さらに、リボワベロワ氏自らも、ウクライナの子どもを養子にしているのです。

実際に、養子になる寸前で、父親に助け出されたという男の子が取材に応じてくれました。

13歳のマトベイくん。マリウポリの自宅が攻撃を受け、その後、親と引き離され1000キロ離れたモスクワまで連れ去られました。収容された施設でマトベイくんは、大人たちに“ある選択”を迫られたと言います。

マトベイくん(13)
「施設で、僕たちは『ロシア人の養子になるか、孤児院に行くか、ここで決めなさい』と言われたんです。そして…ほとんどの子が、養子になりました」

しかし、マトベイ君の証言について、リボワベロワ氏は会見で「彼ら(マトベイくんたち)はマリウポリで育児放棄されていて、モスクワの療養所に来た。養子になるよう勧めたことは一切ない」と真っ向から否定したのです。

モスクワまで行き、マトベイくんを奪還した父親はリボワベロワ氏の会見を見て…。

マトベイ君の父親 イェフヘンさん
「でたらめだな…彼女が言っていることは。施設に連れて行ってくれなんて頼んでない」

ウクライナの子どもをロシア化し、自国の国民として育てることで、ロシアは領土のみならず、民族のアイデンティティさえも奪おうとしているのでしょうか?

アメリカで、ロシアの子どもの連れ去りについて研究するイエール大学ナサニエル・レイモンド人道研究室長は、子どもの連れ去りには、ロシア化による再教育以外に「ロシア国民に『われわれは子どもの保護という人道的な行為をしていて侵攻は間違っていない』とPRするため」という目的もあると分析しています。

いまも1万9000人が、ウクライナに戻れないままです。

(TBSテレビ「つなぐ、つながるSP 戦争と子どもたち 2023→1945」8月12日放送より)

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