ワシントン=下司佳代子
中国がキューバに通信傍受施設の設置を計画していると、複数の米メディアが8日、匿名の米高官の話をもとに報じた。米フロリダ半島から約150キロの距離に施設ができれば、軍事基地が集まる米南東部の通信を傍受したり、米国の船舶の通行を監視したりできるようになる、と指摘されている。米国、キューバ両政府は報道を否定している。
最初に報じたウォールストリート・ジャーナルによると、資金難のキューバに中国が数十億ドル(数千億円)を支払って施設を建設することで基本合意した。「米国の裏庭」と呼ばれるほど地理的に近い中南米にこうした施設が出来ることを、バイデン政権は強く警戒しているという。
2月に米国が中国の「スパイ気球」を撃墜し、関係がさらに悪化した米中両国は、最近になって閣僚対話を再開。近くブリンケン国務長官の訪中も見込まれているが、今回の疑惑はこうした関係修復の動きに水を差しかねない。
国防総省のライダー報道官は記者会見で「我々が持っている情報では、報道は正確ではない。中国とキューバがスパイ拠点をつくろうとしていることは把握していない」と語った。キューバのカルロス・フェルナンデス・デ・コシオ外務副大臣もツイッターで、報道は「まったく誤りで根拠がない」と主張した。
米国内では警戒感が広がっている。上院情報委員会の民主、共和両党トップ、ワーナー議員とルビオ議員は共同声明で「キューバと中国が協力して米国と米国民を標的にしているという報道に、深く動揺している。我が国の安全保障に対する中国の継続した厚かましい攻撃に対応しなければならない」と主張し、バイデン政権に行動を求めた。
キューバはカリブ海にある社会主義の島国。1959年に革命政権が成立。対立した米国は61年に国交を断絶した。2015年、オバマ米政権下で国交を回復した。(ワシントン=下司佳代子)
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2023-06-09 07:33:37Z
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