南米・コロンビアのアマゾンに小型機が墜落した事故で、40日ぶりに救出された子ども4人は、密林で過酷なサバイバル生活を送りながら、「見つかるのが怖くて隠れていた」と話していることが新たに分かりました。
■発見時…長男が一番衰弱 歩くこともできず
撮影者:「子どもたちが見つかった。神様のおかげだ」
アマゾンのジャングルで行方不明となっていた4人の子どもが発見された直後の映像です。
南米・コロンビアの密林で40日間を生き延び、奇跡の生還を果たした子どもたち。捜索隊に抱きかかえられ、水やゼリーを与えられる様子が映っています。
長男(5):「おなかがすいた。パンが食べたい」
捜索に参加した先住民:「空腹で食べ物のことしか考えられない状態だった。長男が一番衰弱していて、歩くこともできなかった」
その後、ヘリコプターに引き上げられると、スマートフォンの画面をのぞき込む子どももいました。
現在、首都ボゴタの病院に搬送され、治療を受けている4人の子どもたち。そこに父親が会いにきました。
子どもたちの父親:「初めは長女(13)を抱きしめました。何が起きたのか聞くのは簡単じゃなかった。子どもたちは40日もまともに食事も、眠ることもできなかったのですから」
■重傷の母「ここを離れて」 最後に子どもたちへ
先月1日、コロンビアのアマゾンで7人が乗った小型飛行機が墜落し、子どもの母親を含む、大人3人が遺体で発見されました。
長女が話した墜落直後の様子は…。
長女:「お母さんは4日間生きていた」
重傷を負いながらも4日間、生存していたという母親。最後に子どもたちへこう伝えたといいます。
母親:「もう、ここを離れて行きなさい。お父さんを見つけるの。私があなたたちを愛したように、お父さんもあなたたちを愛してくれるでしょうから」
その後、母親のもとを離れ、子どもたちだけでの過酷なジャングルでの生活が始まりました。
捜索活動には軍の兵士150人のほかに、先住民族のボランティアも参加。空からヘリで物資を投下したほか、拡声器を使って子どもたちへの呼び掛けも行われました。
現場周辺では、哺乳瓶やはさみ、おむつ、さらに、子どもサイズの足跡など、痕跡が次々と見つかりました。
■「怖くて隠れていた」発見遅れた“意外な理由”
しかし、40日もの間、子どもたちを発見することはできませんでした。
地元メディアによりますと、子どもたちは、こんなことを口にしているといいます。
子どもたち(病院での聞き取り):「見つかりたくないから隠れていた。怖かったから」
密林で過酷な生活を余儀なくされていたにもかかわらず、「隠れていた」というのです。
実は、子どもたちの父親は先住民「ウイトト族」のリーダー的存在で、反政府武装組織「コロンビア革命軍」の残党から狙われ、離れた場所に避難していました。
しかし、「子どもたちを仲間に引き入れる」と脅迫を受けたため、今回、小型飛行機をチャーターし呼び寄せようとしたといいます。
帝京大学 千代勇一准教授:「先住民に限らず農村部において、反政府武装組織からのめない要求を、例えば麻薬であったり、あるいは政府軍の情報だったり、そういったものを求められて。しかし、中立でいたい場合には拒否して、それによって脅迫を受けたり、殺害されたりということもある」
およそ60年にわたり、政府と反政府武装組織との間で内戦が続くコロンビア。
反政府武装組織は、麻薬「コカイン」の原料である「コカ」を資金源にするために、コカの栽培が例外的に認められている先住民を利用し、従わない者は殺害するケースもあるといいます。
捜索隊が、子どもたちが発見された場所から、わずか100メートルの場所を探した際に見つけられなかったのも、子どもたちが息をひそめていたからかもしれません。
千代准教授:「自分たちを救出しに来ているのかどうかも全く分からない状況のなかで、とにかく不安と恐怖しかなかったんじゃないか」
(「グッド!モーニング」2023年6月13日放送分より)
▶「母親は生きていた」ジャングルで40日間生存 「抜け出しなさい」子どもに伝えた言葉
▶アマゾン密林から“奇跡の生還” 墜落40日…子ども4人で生き抜いた“知識と思考”
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2023-06-13 03:32:06Z
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