米バイデン政権はロシア産原油の米国への輸入を禁止することを検討している。事情に詳しい関係者2人が明らかにしたもので、少なくとも当初の段階では欧州の同盟国の参加なしでも進めることを想定している。
米下院はロシア産原油・エネルギー製品の輸入を禁止する法案を検討していると、ペロシ下院議長が明らかにした。ウクライナ軍事侵攻を受け、企業によるロシアでの事業停止発表が相次いでおり、ネットフリックスなどもこうした動きに加わった。
米バイデン政権がロシア産原油の禁輸を検討していると明らかにしたことで、原油価格は1バレル=140ドルに近づいた。
ウクライナ南部の都市マリウポリからの住民の避難は2日連続で停止となった。ウクライナの複数の当局者は、ロシア側が停戦合意を再び破ったと主張している。援助団体は現地の状況を「壊滅的」と表現。国連は6日、ロシアの侵攻が始まって以来、ウクライナからの国外避難者が150万人を超えたと発表した。
ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。
EUはロシアへの追加制裁を準備-欧州委員長
欧州連合(EU)はロシアに対する追加制裁を準備していると、フォンデアライエン欧州委員長が7日、ドイチュラントフンク(DLF)とのインタビューで述べた。詳細には言及しなかった。
ロシア、人道回廊設置を提案
ロシア国防省は民間人がウクライナの都市から脱出するための人道回廊を再開すると発表した。プーチン大統領が週末にフランスのマクロン大統領と同意したと説明した。人道回廊はこれまで、ロシアとウクライナ双方の戦闘で開設に失敗していた。
米、同盟国参加なしでのロシア産原油禁輸実施を検討-関係者
バイデン米政権は、少なくとも当初は欧州の同盟国の参加がなくても、米国へのロシア産原油輸入禁止を実施するかどうかを検討している。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。匿名を条件に語った関係者によれば、米政権は禁輸をまだ決定しておらず、時期や規模もなお流動的だ。
NZ、対ロ制裁を強化へ-アーダン首相
ニュージーランドのアーダン首相は、ロシアおよび同国政府と関係がある個人・企業に対する制裁を大幅に強化すると発表した。
米下院、ロシア産原油・エネルギー製品禁輸法案を検討中
ペロシ米下院議長は民主党議員らに宛てた6日付の書簡で、ウクライナに侵攻したロシアを世界経済からさらに孤立させる「強力な法案」を下院で検討中だとし、ロシア産原油・エネルギー製品の輸入禁止と、同国およびベラルーシとの通常の貿易関係を取り消す内容を盛り込む方針を示した。
ルーブルがオフショアで過去最安値の気配
ロシア産の原油禁輸リスクで同国経済への打撃が懸念され、通貨ルーブルはオフショア市場で10%安の最安値となる気配を示している。ルーブルは対ドルで過去最低の1ドル=136.50ルーブルを記録。ブリンケン米国務長官はロシアへの追加制裁として、米政府と同盟国がロシア産原油の禁輸について議論していると述べた。
ロシアリスクで銅やパラジウム、アルミが最高値
アジア時間7日午前の時間外取引で、ロシア産原油の禁輸観測などからロンドン金属取引所(LME)の銅相場が一時1.5%高の1トン=1万835ドルまで値上がりし、過去最高値を更新した。パラジウムのスポット価格も1オンス=3169.46ドルと最高値を記録。アルミニウム相場も最高値を付け、ニッケルは1トン=3万3000ドルを突破して一時16%高となった。シカゴ小麦先物相場も一時7%高の1ブッシェル=12.94ドルと6営業日連続でストップ高となった。
中ロの軍事協力緊密化、関心を持って注視するー岸田首相
岸田文雄首相は7日の参院予算委員会で、中国とロシアは「軍事協力も緊密化」しているとし、両国の対外政策を含む動向について「引き続き関心を持って注視し、米国をはじめとする関係国と連携しながら適切に対応する」と述べた。また、ロシアが6日にもウクライナの核施設を攻撃したとの報道を受け、「強く懸念する」と話した。
PwCとKPMG、ロシア事業撤退を発表
大手会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)はロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ロシア事業から撤退する。また、KPMGもロシアおよびベラルーシから撤退する。
ブレント原油先物139ドル台-ロシア産禁輸協議で供給不安
アジア時間7日午前に北海原油代表油種のブレント先物相場が一時1バレル=139ドル台を付けた。ロシア産原油の禁輸の可能性について協議していると米政府高官が明らかにしたのを受け、供給不安が強まった。
外務省、ロシアほぼ全土に渡航中止勧告
外務省は7日、ロシアへの渡航情報を巡り、一部地域の危険レベルを「レベル3(渡航中止勧告)」に引き上げた。すでにレベル3に指定されていたチェチェンなどの地域と合わせると、「レベル4(退避勧告)」が発出されているウクライナとの国境周辺を除くほぼ全土に渡航中止勧告が適用されたことになる。
TikTokとネットフリックスもロシア事業停止
動画投稿アプリのTikTok(ティックトック)と動画配信サービスのネットフリックスがロシアでの事業停止を発表した。ロシアで情報統制のため「フェイクニュース(偽情報)」に罰則を科す法が施行されたことを受け、TikTokは同国でのライブストリーム提供を停止する。
ネットフリックスはロシア事業を閉鎖する。新たな顧客の申し込みは受け付けず、既存ユーザーのアカウントがどうなるかは不明だとしている。同社のロシアの契約者数は100万人に満たない。
ロシア当局、反戦デモ参加者約4500人を拘束
ロシアで6日、反戦デモの参加者約4500人が拘束された。人権団体OVDインフォが明らかにした。
OVDによると、モスクワやサンクトペテルベルク、エカテリンブルクを含む44都市でデモが行われた。これまでに拘束された人は約1万2000人に達した。
米国務長官、7日にイスラエル外相と会談
ブリンケン米国務長官はイスラエルのラピド外相と7日にラトビアのリガで会談する。イスラエル外務省によると、両氏はウクライナ情勢を協議するほか、イラン核合意再建についても話し合う。
イスラエルのベネット首相は6日にプーチン大統領と電話会談。その前日にはモスクワで大統領と対面で会談するなど外交努力を続けている。イスラエルはウクライナとロシアの仲介役を申し出ている国の一つ。
アメックスがロシアとベラルーシで業務停止
アメリカン・エキスプレスはロシアとベラルーシでの業務を停止する。発表資料によると、国外発行のアメックスカードはロシア国内の店舗やATMで使えなくなり、国内でロシアの銀行が発行したカードは国外で利用できなくなる。
米と同盟国は石油禁輸を協議-米国務長官
ブリンケン米国務長官は6日、バイデン米政権と同盟国がロシア産石油の禁輸の可能性について協議していると明らかにした。
長官はCNNの番組「ステート・オブ・ザ・ユニオン」で、「世界市場で石油の適切な供給量を確保しながら、ロシア産石油の輸入禁止の可能性を協調して検討することに向け、欧州のパートナーや同盟国と話し合っている」と発言。「非常に活発な協議が行われている」と述べた。
これとは別にドイツのリンドナー財務相は、「追加制裁」に向けた作業が続いていると述べ、ロシアの「オリガルヒ(新興財閥)を標的にすることを特に優先している」と説明した。
IAEA、原発のスタッフとのやり取り困難に
国際原子力機関(IAEA)は、ウクライナのザポロジエ原発で作業しているスタッフとの連絡が困難になっていることを明らかにした。同原発は先週、ロシア軍に掌握され、携帯電話ネットワークやインターネットアクセスが遮断された。ウクライナの原子力規制当局はIAEAに対し、電話や電子メール、ファクスが機能しておらず、モバイル通信もつながりにくくなっていることを伝えた。
IAEAのグロッシ事務局長は、欧州最大の同原発の管理がロシア軍司令官の指揮下にあると知らされ「非常に懸念」していると述べた。
ロシア、ウクライナ戦闘機の受け入れ巡り各国に警告
ロシア国防省はウクライナ近隣諸国に対し、ウクライナの戦闘機受け入れに警告を発した。同省報道官は声明で、ウクライナに飛行場利用を認めた国はロシアとの武力紛争に関与することになると指摘。ウクライナの戦闘機が近隣諸国に飛行することがあったとしている。
プーチン大統領、ルーブルでの対外債務返済容認
ロシアのプーチン大統領は5日、ルーブルでの対外債務返済を認める大統領令に署名した。ロシア政府は資本規制を続ける一方で、デフォルト(債務不履行)の回避を探っている。大統領令によれば、ルーブルをロシア中央銀行の公定レートで支払えば、債務履行と見なされる。
プーチン氏、トルコのエルドアン大統領と電話会談
プーチン大統領は6日、トルコのエルドアン大統領と電話会談を行い、戦闘を終わらせるにはウクライナ政府がロシアの要求に応じなければならないと述べた。ウクライナとロシアの3回目の協議は7日にも行われる可能性があるが、事態進展の望みを低くする発言だ。
ロシアを「Ca」に格下げ、見通し「ネガティブ」-ムーディーズ
ムーディーズ・インベスターズ・サービスはロシアの長期発行体およびシニア無担保債務格付け(現地通貨・外貨建て)を「B3」から「Ca」に引き下げた。格付け見通しは「ネガティブ(弱含み)」としている。
ロシア中銀、商業銀行の情報開示義務を一時的に軽減
ロシア中央銀行は、商業銀行に対し開示を付けている情報の量を一時的に減らすと発表した。西側諸国による制裁措置に伴うリスクを抑制する取り組みの一環。
ジョンソン英首相、「想像を絶する暴力」とプーチン氏を非難
ジョンソン首相は米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)に寄稿し、プーチン氏を激しく非難するとともに、人道支援とウクライナの自衛を手助けするよう各国に呼び掛けた。
ウクライナ避難民、150万人上回る
過去10日間にウクライナから近隣諸国に避難した人々は150万人を上回った。グランディ国連難民高等弁務官が6日のツイートで明らかにした。その6割以上がポーランドに逃れ、国境管理当局によれば6日早朝時点で推計92万2400人。また、25万人余りがモルドバに入ったという。サンドゥ大統領が明かした。
ラジオ・フリー・ヨーロッパ、ロシア業務を停止
ラジオ・フリー・ヨーロッパ(ラジオ・リバティー)は6日、ロシア業務の停止を発表した。現地の税当局がロシア部門に対する破産手続きを4日に始め、警察がジャーナリストに圧力を加えていたとしている。
米・ウクライナ首脳会談
ホワイトハウスは、バイデン大統領が5日夜にゼレンスキー大統領と電話会談を行い、バイデン政権は「ウクライナ向けの安全保障・人道・経済支援を増やしており、追加資金の確保に向け米議会と緊密に協力している」と伝えたと発表した。会談は30分程度だった。
米国とポーランド、ウクライナへの軍用機提供を検討
米国はウクライナ向けに他のNATO加盟国が軍用機を提供できるかどうかを巡り、ポーランドと協力して取り組んでいる。ホワイトハウス報道官が明らかにした。
ビザとマスターカード、ロシア事業を停止
ビザとマスターカードは5日、ロシアでの事業を停止すると発表した。ウクライナに軍事侵攻したロシアの経済を孤立化させる国際社会の取り組みに歩調を合わせる。
ビザは「ロシアの理不尽なウクライナ侵略」を指摘し、マスターカードは「現在の紛争と不確実な経済環境は異例」だと説明。バイデン大統領は両社がそれぞれ発表した決定を歓迎すると表明した。
マスク氏がネット機材の追加提供を約束
スペースXのマスク氏は衛星インターネットサービス「スターリンク」の機材をウクライナに再び届けると表明した。ゼレンスキー大統領が5日のツイートで、マスク氏と話したことを明らかにした。
ドイツ、イスラエル両首相が会談
ドイツのショルツ首相はイスラエルのベネット首相とベルリンで1時間半にわたり会談し、ベネット首相が5日に行ったプーチン大統領との話し合いについて意見を交わした。独政府の報道官は両首相が「密接に連絡を取り続ける」との声明を発表したが、会談の詳細には触れなかった。
米国務長官がウクライナ外相と会談
ブリンケン米国務長官はウクライナとポーランドの国境沿いでウクライナのクレバ外相と会談した。同長官は「NATOやEU、主要7カ国(G7)およびそれ以外の国々と数日にわたり協議した。われわれは安全保障・人道・経済支援を続けるのみならず、増やしていく」と述べた。米国務省が発表した。
プーチン大統領がイスラエル首相と会談
イスラエル首相府によれば、プーチン大統領とイスラエルのベネット首相の会談は約3時間に及んだ。
クレムリンは電子メールの声明で、プーチン、ベネット両氏は「ドンバス地方を防衛するためのロシアの特別作戦という観点から、ウクライナ情勢のさまざまな面」について協議した。
原題:Ukraine Update: Oil Surges as U.S. Mulls Banning Russian Imports、Ukraine Update: U.S. May Go Alone on Russia Oil Ban; Crude Soars(抜粋)
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2022-03-07 03:58:55Z
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