中国は「キツネ狩り」と称する活動を通じ、国外逃亡したとされる約1万人を誘拐や家族への圧力といった手段を用いて強制帰国させている。人権団体セーフガード・ディフェンダーズが18日公表のリポートで指摘した。
リポートによれば、中国の習近平国家主席が7年余り前にこの活動を開始して以来、強制送還されたのは9946人。中国が「自発的」な帰国だとしている大半のケースで、標的にされた人々を強制帰国させるため法規制の枠を超えた手段を使われたという。
中国の反腐敗当局と国営メディアが公表したデータによると、強制送還のピークは、新型コロナウイルス禍前の2019年の2041人。国家監察委員会は昨年1-11月について、1114人だと報告した。
中国はこうした活動をオーストラリアやカナダ、米国を含む120カ国余りで行っている。欧米が政府批判を抑え込むための人権侵害だと見なす事例もある。セーフガード・ディフェンダーズは各国に対し、中国人の「非自主的」帰国を調査し阻止するよう提言。「明らかな国際規範違反・国家主権侵害」に抗議するため、中国との犯罪人引き渡し条約を停止するよう各国政府に求めた。
「弾圧拡大の基盤」
セーフガード・ディフェンダーズは「非自発的送還が中国の国境を越えた弾圧拡大の基盤となっているが、その実態は欧米でほとんど知られていない」と説明。同団体のディレクター、ピーター・ダーリン氏は16年、「中国に関する否定的な情報」を広めたとして「黒い刑務所」と呼ばれる超法規的な拘束施設に3週間余り収容された。同氏は国営テレビで告白をさせられた後、拘束を解かれた。
中国外務省は19日、コメント要請に応じなかった。同省報道官は昨年7月、「腐敗した逃亡者の本国送還と違法所得の回収」は法の支配を「支え促進している」と主張。そうした活動に疑問を呈する米国側は中国を中傷しようとしていると反論した。
セーフガード・ディフェンダーズがまとめた68ページに及ぶリポートは、キツネ狩り活動ついてのこれまでで最も包括的な調査の1つ。 この活動は当初、海外逃亡したと思われていた当局者約1万8000人を帰国させることに焦点を絞っていたが、その後、制度化された。
対象者が住んでいた国との犯罪人引き渡し条約などを通じた強制帰国のケースもあるが、多くの場合は法の枠を超えた方法が取られている。中国は国内に住む家族に圧力をかけたり、対象者を直接脅迫もしくは誘拐するため工作員を海外に派遣したりしている。
原題:Xi’s Global Dragnet Grinds on After Netting 10,000 Fugitives (1) (抜粋)
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2022-01-19 07:37:27Z
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