Jumat, 14 Januari 2022

外交にユーモア海部元首相…「ネクタイは日本で買ったサンローラン、外国製品どんどん入ってる」 - 読売新聞オンライン

 9日死去した元首相の海部俊樹氏は、イラク軍のクウェート侵攻による1991年の湾岸戦争をめぐり、多国籍軍への負担として総額130億ドルの拠出を決めた。冷戦終結に伴う国際政治の激動期に日本の立ち位置を模索する一方、持ち前のユーモアで各国の首脳と良好な関係を築いた。(政治部 梁田真樹子)

 昨年12月に外務省が公開した90年1月~91年1月の外交文書には、そんな海部氏の人柄をしのばせるエピソードが収められている。

 「自分の今しているネクタイは、日本で買ったサンローランのものだが、日本に外国製品がどんどん入ってきて国民の手元に届いていることの証拠」

 日本と欧米の貿易摩擦が深刻化していた90年1月。訪仏した海部氏は昼食会でミッテラン仏大統領(当時)に、こんな風に語りかけたという。ミッテラン氏が「日本市場への参入が難しいのは気がかり」だと、貿易摩擦に懸念を示したことに対して切り返したものだった。

 海部氏の軽妙な応対に、ミッテラン氏は「大変外交上手な方だ」と持ち上げ、「ネクタイのみならず、トラクターや大型トラックなどについても注意を払っていただければ」と、さらに切り返した。同席したロカール仏首相(同)が「海部総理にトラクターに乗って会談においでいただくわけにもいかない」と引き取り、会場は笑いに包まれたという。

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2022-01-14 09:23:00Z
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