【ワシントン=住井亨介】米製薬大手ファイザーと独バイオ企業ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスのワクチンをめぐり、12月中旬にも接種が始まる米国では、流通態勢の整備やワクチンの安全性への懸念払拭などが急がれる。 英国で接種が始まる米ファイザーのワクチンについて、米食品医薬品局(FDA)は10日の諮問委員会をへて速やかに許可を出す見込み。トランプ政権でワクチンの開発計画顧問を務めるスラウイ氏は、「ワクチン承認から24時間以内、遅くとも36~48時間以内に接種が可能になる」と述べている。 ただ、ファイザー製ワクチンはマイナス70度前後での保管が必要だ。同社はドライアイスで超低温を保てる輸送用容器を独自に開発。中西部ミシガン州のファイザーの工場から全米に配送されるのに合わせ、米物流大手フェデックスなど物流各社も速やかな配送を実現する態勢を準備している。 接種は、医療従事者、高齢者施設など長期療養施設の入所者が最優先される。集団免疫を獲得するためには約7割の接種率が必要とされるが、安全性への懸念からか米国でのワクチンへの理解は大きく広がっていない。 調査会社ギャラップの調査(10月19日~11月1日)によると、接種を受けるとした人が58%だったのに対し、接種をしないと答えた人は42%にも上り、賛否が分かれている。 こうした中で、米次期大統領に就任する見通しとなったバイデン前副大統領は3日、米CNNテレビのインタビューで、国民の信頼が厚い国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長を引き合いに出し、「ファウチ氏が安全だといえば、公開の場で接種を受ける」と明言。国民の懸念払拭に努める姿勢をアピールした。
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2020-12-06 15:16:40Z
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