【ロンドン=中島裕介、ブリュッセル=竹内康雄】英国と欧州連合（EU）は24日、新たな自由貿易協定（FTA）など将来関係を巡る交渉で合意した。ジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長がそれぞれ表明した。英・EU間の関税ゼロでの貿易が維持される可能性が極めて高くなった。離脱の移行期間である年内中に双方が議会での承認や暫定適用の手続きを済ませれば、懸念されていた年明けからの経済活動の大混乱は回避される。
2016年のEU離脱を問う国民投票から約4年半を経て、英国とEUは通商協定に基づく歴史的に新たな関係に入る公算が大きくなった。
英国は20年1月末にEUを離脱したが、年末までは激変緩和のための移行期間で、関税ゼロの貿易や人・モノの自由移動など経済関係はほぼ変化がなかった。両者は年内の合意を目指して、3月から交渉に臨んでいた。交渉では英国が産業政策でEUルールに従う「公正な競争環境の確保」や、「英海域でのEU漁船の漁業権」を巡って紛糾し、合意が危ぶまれていた。双方とも新型コロナウイルスの影響で経済が傷んでおり、急な関税の上昇などさらなる打撃を避ける意向も働いたとみられる。
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2020-12-24 14:53:30Z
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