英政府は19日、新型コロナウイルスの新たな変異種による感染が急拡大しているなどとして、ロンドンとイングランド南東部に20日から厳しい社会規制をかけると発表した。生活必需品を扱う商店以外は営業禁止となり、不要不急の外出が認められない事実上のロックダウン(都市封鎖)を始めた。世界保健機関(WHO)は20日、他の欧州諸国でも変異種が見つかったことを明らかにした。
変異種は、従来種の新型コロナウイルスに比べて感染力が強いとみられ、感染者を増加させるペースが速いという。記者会見でジョンソン英首相は、変異種について「古い種より最大で7割も伝染力が強まっている可能性がある」と述べた。一方で、従来種と比べて重症化率や致死率が高いことを示す証拠はないとも説明した。
変異種については、ハンコック保健相が14日、イングランド南部を中心に、計1000件以上確認されていると公表していた。20日に出演したテレビ番組では「ワクチンが普及するまで変異種を抑えるのは非常に難しい」と述べた。
英政府は変異種の感染拡大状況について、WHOに報告した。AFP通信などによると、WHO欧州地域事務局はオランダとデンマークのほか、欧州域外のオーストラリアでも変異種が見つかったと明かしている。
英国は感染拡大の「第2波」を受け、11月5日から12月2日までの4週間、イングランド全土に事実上のロックダウン措置を敷いていた。2日の解除以降は、感染拡大の危険度を地域ごとに3段階にレベル分けして対応。ロンドンは中間の「レベル2」だったが、16日に最も危険度が高い「レベル3」となり、飲食店は宅配やテークアウトを除き、営業禁止となった。そしてわずか3日後に、急きょ新設された「レベル4」への指定を決めるなど、政府は警戒を強めている。20日に始まったロックダウンを継続するか否かは、状況を観察したうえで30日に検討する見通し。
クリスマス期間に規制強化に乗り出さざるを得なくなり、ジョンソン氏は「どれほど失望させるかは承知しているが、科学に従わねばならない。ウイルスが攻撃方法を変えれば、防御方法を変えねばならない」と訴え、ロンドン市民らの理解を求めた。
英国での変異種拡大を受けて、オランダ政府は20日から少なくとも来年1月1日まで英国からの旅客機の到着を禁止すると発表した。AFP通信によると、ベルギーも20日、英国からの旅客機と列車の到着を一時的に禁止した。ドイツとフランス、イタリアなども同様の措置を検討するなど、対外的な影響も出ている。
英国では、新型コロナの累計感染者数が200万人を超え、死者数はイタリアに次いで欧州で2番目に多い約6万7000人に達する。「第1波」の感染拡大に伴い、イングランドでは3月23日に最初のロックダウンに入り、6月以降、実質的に緩和していた。またジョンソン氏は3月下旬にコロナに感染したことが判明し、症状が悪化したことから4月に一時入院していた。【服部正法(ロンドン)、中村聡也】
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2020-12-20 13:56:01Z
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