【ソウル=桜井紀雄】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は7日、今年の施政方針を盛り込んだ「新年の辞」を発表した。昨年、極度に関係が悪化した日本に対しては「最も近い隣人であり、両国間の協力関係を一層、未来志向的に深めていく」と呼び掛けた。日本が輸出管理の厳格化措置を撤回すれば、「両国関係がさらに速く発展できる」とも強調した。
昨年12月に安倍晋三首相と会談し、懸案の解決に向けた対話継続で一致したこともあり、対日批判を避けて協調姿勢を前面に出した形だ。ただ、関係悪化の根源であるいわゆる徴用工判決などへの具体的な言及はなかった。
日本の輸出管理措置に対し、官民挙げて「誰も揺るがせない国」を目標に半導体材料の国産化に取り組み、「意味ある成果を達成した」ともアピールした。
北朝鮮が韓国との対話を拒否し、米朝交渉も滞る中、「武力の誇示と脅しは誰の役にも立たない」と述べ、昨年、ミサイル発射を繰り返し国防力強化を打ち出した北朝鮮を牽制した。
一方で、南北はともに生きる「生命共同体」だと指摘し、2032年夏季五輪の南北共同誘致や、今年の東京五輪での合同入場行進、合同チームの結成のための協議継続を北朝鮮に呼び掛けた。「絶え間ない対話の用意がある」と重ねて強調。中断した南北経済協力事業の開城(ケソン)工業団地や金剛山(クムガンサン)観光の再開、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の訪韓実現に向けて努力を続けることも表明した。 (産経新聞)
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2020-01-07 06:30:49Z
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