2020年01月24日19時17分
新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、日本政府は国内への流入阻止に全力を挙げる方針だ。空港などでの水際対策を強化。併せて、発生地の中国・武漢市を含む湖北省全域で、感染症危険情報を「渡航中止勧告」のレベル3に引き上げた。
安倍晋三首相は24日の参院本会議で「新型コロナウイルスの感染拡大の防止に向けて全力を挙げていく」と強調した。
政府は新型肺炎への対応を協議する関係閣僚会議を首相官邸で開催。首相は(1)検疫における水際対策の徹底(2)全国の検査態勢の整備(3)国民への迅速・的確な情報提供―などを指示した。
中国では春節(旧正月)の大型連休が始まった。今後、日本を訪れる観光客の増加が見込まれるため、関係省庁は警戒態勢を強めている。
厚生労働省は、中国からの航空便やクルーズ船を対象に、体調不良の乗客に自己申告を促すアナウンスを行うよう各事業者に要請。また、全国各地の空港でサーモグラフィーによる旅客の発熱チェックを徹底し、流入を未然に食い止める方針だ。
同省はまた、24日の自民党会合で、ワクチン開発に必要なウイルス株の提供を中国政府に要請中だと説明。専門家の現地派遣を検討していることも明らかにした。
外務省も、当初は武漢市のみに「不要不急の渡航自粛」を求めるレベル2の感染症危険情報を発出したが、さらなる感染拡大に対応するため、4段階のうち2番目に危険度の高いレベル3に引き上げ、対象も湖北省全域とした。
ただ、水際での捕捉には限界もある。感染者が解熱剤を服用したり、入国後に発熱したりした場合などは、把握が困難なためだ。
西村明宏官房副長官は24日の記者会見で「週末の間も緊張感を持って状況を注視する」と強調。国内で感染が確認された際は「速やかに公表したい」と述べた。
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