台湾で11日、総統選挙の投開票が行われ、現職の与党・民主進歩党(民進党)の蔡英文氏(63)が再選を果たした。中国との関係が最大の焦点となる中、約820万票(得票率57%)を獲得して圧勝した。
中国との関係強化が台湾に経済的利益をもたらすと主張する、対抗馬の最大野党・国民党の韓国瑜氏(62)の得票数は約550万票(得票率39%)だった。
中国に強硬な姿勢をとっている蔡総統は勝利演説で、台湾を力ずくで奪還するといった脅しを放棄するよう中国側に求めた。
蔡総統は記者会見で、「台湾は世界に対して、我々が自分たちの自由民主主義的な生き方をどれほど大切にし、自分たちの国をどれほど大切にしているかを示している」と述べた。
「平和とは、武力行使を辞さないとする台湾への脅しを中国が放棄しなければならないことを意味する。(中略)私はまた、中国当局が、民主主義的な台湾も、我々の民主主義に基づいて選出された政府も、脅迫や威嚇行為を認めないということを理解してくれると願っている」
中国政府は1949年の分断以来、台湾での主権を主張。台湾は最終的に中国と統一されなければならず、必要であれば武力行使を辞さないとしている。
■「強固な民主制度」の証明
敗北を認めた韓氏は、地元高雄市で支持者らを前に、「蔡総統に電話で祝福を伝えた」と述べた。
アメリカ政府は、台湾の「強固な民主制度」の証明だとして、蔡総統の勝利を歓迎した。
米国務省は、「蔡総統のリーダーシップの下、台湾が今後も、民主主義や繁栄、そして人々のためのより良い道筋を目指して努力する国々にとっての、輝かしい手本としての役割を果たしていくことを願っている」としている。
■前回から130万票増
台湾の有権者は、香港の民主化デモへの中国政府の対応を注視していた。
そのため、投票に先立ち行われた世論調査では、台湾の未来は2300万人の台湾人によって決められるべきだと主張する蔡総統が最も高い支持率を得ていた。そして今回、前回の2016年総統選を約130万上回る票数を獲得した。
総統選と同時に投開票された立法委員選挙では、蔡総統率いる民進党が過半数を維持した。
■「一国二制度」を拒否
中国は、諸外国が台湾を独立主権国家とみなし、外交関係を持つことを認めていないが、多くの国は、貿易において台湾とあいまいな関係を維持している。
蔡総統は、「既存のメカニズムを維持」し、事実上の独立状態を危険にさらしたくない考えだ。
中国政府は台湾に対し、香港と同様に「一国二制度」の下で、台湾を治めるよう提案しているが、蔡総統はこれを拒否している。
蔡総統はBBCに対し、台湾は香港の情勢から「教訓を得る」べきだと述べた。「もし我々が(台湾の独立性の維持を)主張しなければ、今我々が手にしているものすべてを失うことになるだろう」。
■<解説>中国は見誤った? ――ジョン・サドワース、BBC北京特派員
2期目を目指していた台湾の蔡総統が約800万票を獲得した。これは、並外れた得票数だ。
過去最多の得票数は蔡総統の圧勝をもたらし、中国政府に対する大きな拒絶を示した。
今回の総統選挙の争点に台中関係が浮上したことで、低下していた蔡総統の運気を取り戻すことにつながった。
そして、蔡総統の勝利には、明白な政治的皮肉が含まれている。
中国政府の、大中華圏という厳格で権威主義的な展望は、その構想の可否を占う機会となった総統選で拒絶された。
中国共産党が台湾に対する圧力を増大せず、香港における危機的状況への対応をよりひかえめにしていれば、中国政府を阻止しようとする蔡総統の当選の可能性はずっと低かったかもしれない。
投票結果を受け、勝利は中国の習近平国家主席のおかげかと、私は蔡総統に尋ねた。
彼女は微笑んだ。
(英語記事 Taiwan's Tsai wins second presidential term)
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2020-01-13 05:34:00Z
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