【北京=羽田野主】中国国務院(政府)は4日、香港出先機関トップの王志民主任(62)を解任し、後任に駱恵寧・前山西省党委員会書記(65)を充てると発表した。2019年夏に香港で大規模デモが起きて以来、香港関係の主要人事は初めて。王氏は香港の情勢分析を中国政府に正しく伝えていなかったとして更迭論が出ていた。
国営新華社が伝えた。中央人民政府駐香港特別行政区連絡弁公室(中連弁)は中国政府の香港出先機関で、主任は中国政府と香港政財界のパイプ役を担う。王氏は過去にも香港に赴任した経験があったほか、福建省での勤務が長く、習近平(シー・ジンピン)国家主席との関係が近いとの見方もあった。
逃亡犯条例改正案を契機とした香港での抗議活動は半年以上にわたって続くが収束が見えず、19年11月の香港区議選では民主派が圧勝した。中国共産党内には「香港情勢を巡る正確な情報が北京に届いていなかった」との批判が根強く、王氏の責任を問う声が上がっていた。
駱氏は浙江省出身で、青海省党委員会書記など地方幹部を歴任した。香港での勤務経験はなく、手腕は未知数との指摘も出ている。
ロイター通信は中国政府が香港に隣接する広東省深圳に危機管理センターを設置し、中連弁に代わる連絡本部にする案を検討していると報じていた。中国当局はすでに香港政府関係者や親中派の政治家などを同センターに呼び出して情報収集しているとされ、中連弁の役割が縮小する可能性も取り沙汰されている。
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2020-01-04 12:08:02Z
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