Rabu, 06 September 2023

【解説】 プーチン大統領と金総書記の「同盟関係」、どれほど憂慮すべきか - BBCニュース

ジーン・マケンジー、BBCニュース(ソウル)

Kim Jong Un and Vladimir Putin

画像提供, Getty Images

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が今月、ロシアを訪問する計画があると報じられた。アメリカやその同盟国の間では懸念が生じている。

米政府関係者が米メディアに語ったところによると、金総書記とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、北朝鮮がロシアのウクライナ侵攻を支援する目的でロシアに武器を提供する可能性について話し合うつもりだという。

表面的には、北朝鮮とロシアが武器を取引するのは完璧に理にかなっている。

ロシア政府はウクライナ侵攻で使用する武器、とりわけ弾薬と砲弾を切実に必要としている。北朝鮮政府はそのどちらも多数保有している。

一方で水面下では、北朝鮮とロシア両政府による、より緊密な連携が始まる可能性が広がっている。アメリカはしばらく前から、両国が武器取引をする可能性を警告してきたが、金氏とプーチン氏の首脳レベルでの会談が行われれば、その可能性は次の領域へと一気に押し上げられることとなる。

短期的に見れば、アメリカにとっては、北朝鮮の武器がウクライナ国内の戦闘の最前線に渡るのを阻止することが優先事項だろう。しかし、ここ韓国ソウルで懸念されているのは、北朝鮮がロシアに武器を売却する見返りに何を得るのかということだ。

ロシアが絶望的な状況にある以上、金氏が多大な代償を引き出すことは可能だろう。

金氏はおそらく、ロシアに軍事支援の強化を要求するだろう。韓国の情報機関は4日、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相がロシアと中国、北朝鮮に対し、米韓日が行っているような海上での合同軍事訓練の実施を提案したと明らかにした。金氏は米韓日の軍事訓練をひどく嫌っている。

将来的には、ロシアの武器を呼び込むこともできるかもしれない。

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しかし、最も懸念されるのは、金氏が核兵器開発計画の突破口を開くために、プーチン氏に高度な兵器技術や知識の提供を要求するのではないかということだ。北朝鮮は偵察衛星や原子力潜水艦など、主要な戦略兵器を使いこなすのに、依然として苦慮している。

とはいえ、複数の韓国政府関係者は、現段階で両国の連携が実現する可能性は低いとみている。ロシアにとって戦略的に危険な事態になりかねないからだ。

ソウルに拠点を置くシンクタンク、峨山(アサン)政策研究院の梁旭 (ヤン・ウク) 氏は、北朝鮮からの支援の見返りとして、ロシアが北朝鮮に武器を売却しなかったとしても、北朝鮮の核開発計画に資金を提供することは可能だと指摘した。「ロシアが石油と食料で支払いをすれば、北朝鮮経済は活性化するし、北朝鮮の兵器システムの強化にもつながる。北朝鮮にとって新たな収入源になる」。

軍事戦略と兵器システムの専門家である梁氏は、「我々は15年かけて北朝鮮に対する制裁ネットワークを構築し、大量破壊兵器の開発と取引を阻止してきた。いまは、国連安全保障理事会の常任理事国であるロシアが、このシステム全体を崩壊させる可能性がある」と述べた。

中国よりも「大きな譲歩」引き出せるか

制裁が強化される中で北朝鮮は、違反行為を見て見ぬふりし、食料を援助してくれる中国にますます依存するようになった。中国政府はこの1年間、国連安全保障理事会での北朝鮮の兵器実験に対する制裁決議案の採決で、拒否権を発動している。つまり、北朝鮮は制裁による深刻な影響を受けることなく核兵器開発を続けている。

北朝鮮は中国政府にとって、在韓米軍をめぐる有益な緩衝地帯としての役割を果たしている。これは、北朝鮮の存続のために中国が対価を支払っていることを意味する。

ただ、北朝鮮政府は中国だけに依存し過ぎることに、常に不安を抱いてきた。ロシアが同盟国を求めているいま、金氏に自国の支援ネットワークを多様化する機会が訪れたといえる。

さらに、ロシアがこれほど必死になっている現状を踏まえると、中国政府よりもロシア政府からより大きな譲歩を引き出せると、金氏は感じているかもしれない。プーチン氏は、北朝鮮の核実験について沈黙を守ることに同意するかもしれない。一方で中国の習近平国家主席は、行き過ぎた行為だと受け止めるかもしれない。

シンガポールの南洋工科大学S・ラジャラトナム国際問題研究大学院のバーナード・ルー博士は、「冷戦時代、北朝鮮はロシアを中国から引き離していた。子供が親同士にするのとよく似ている」と話す。

金氏は自国を離れられるか

しかし、金氏とプーチン氏の会談が実現するのかについてはまだ疑問が残る。

金氏が頻繁に、あるいは気軽に北朝鮮を離れることはない。同氏は自身の安全について偏執的になっており、海外への渡航には危険が伴うと考えている。2019年2月のヴェトナム・ハノイでのトランプ氏との会談や、同年4月のロシア・ウラジオストクでのプーチン氏との会談には、装甲列車で向かった。ハノイへは、中国を経由して2日かけて移動した。ウラジオストクでの会談以降、金氏は出国していない。

金氏とプーチン氏が、どの程度プライベートな会談を想定しているのかは不明だが、会談が計画されているとみられることを公にすることで金氏をおびえさせ、会談と武器取引の可能性の両方を阻止できることを、アメリカが期待している可能性がある。

前出のルー博士は、金氏にはあまり余裕がないとみている。しかし、「3カ国間の軍事演習に関する報道を考慮すると、誰も面目を失わずにこの種の行事をキャンセルすることは難しいだろう」とした。

ロシアがウクライナに侵攻して以来、情報を公開して取引を未然に防ぐというのが、アメリカの戦略のひとつになっている。北朝鮮とロシアはこれまで、武器取引を検討しているとの指摘を否定してきた。どちらとも、この取引が公になることを望んではいないようだ。

追加取材:ニコラス・ヨン(シンガポール)

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2023-09-06 08:14:41Z
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