【北京=羽田野主】中国共産党の幹部人事を決める5年に1度の第20回党大会が16日、北京の人民大会堂で開幕した。習近平(シー・ジンピン)総書記は過去5年間の成果と今後の方針を示す活動報告で台湾統一方針を巡り、「決して武力行使の放棄を約束しない。必要なあらゆる措置をとる選択肢を持ち続ける」と強調した。
台湾問題に介入を深めるバイデン米政権や台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)政権を威嚇した。習氏は「台湾問題は中国人自身のことであり、中国人が自分で決めなくてはいけない」と主張。「祖国の完全な統一は必ず実現しなくてはならず、また必ず実現できる」と訴えた。「平和統一の見通しを得るために最大限の努力をする」とも述べた。
中国共産党には、党トップの総書記は2期10年との慣習がある。習氏は党大会後、この慣習を破って異例の3期目に入る見通しだ。
習氏は「これからの5年間は、社会主義現代化国家の全面的な建設が始まる重要な時期だ」と述べ、異例の3期目入りに向けた正当性を強調した。「最悪の事態も想定した思考を堅持しなくてはいけない」とも話し、習氏の指導のもとでの結束を訴えた。
新型コロナウイルスのワクチン供与を中心とした海外との協力が「国際的な称賛を勝ち取った」とも主張した。「中国の国際的影響力が著しく向上した」と成果を誇示した。
16日の開幕式では、会場となる人民大会堂に、習氏ら最高指導部らとともに、総書記などを務めた長老のほか、各地域などを代表する党員約2300人が出席したもようだ。胡錦濤(フー・ジンタオ)前総書記が参加した一方、江沢民(ジアン・ズォーミン)元総書記は姿を見せなかった。
司会は李克強(リー・クォーチャン)首相が担当した。活動報告を読み上げる形の習氏の演説は約1時間45分に及んだ。
会期は7日間。党大会は中国共産党の指導体制や基本方針を決める最高意思決定機関だ。北京で5年に1度開き、党序列上位200位以内の中央委員らを選出し、党の憲法といわれる党規約の改正案や重要な政策課題を議論する。
今回、習氏が異例の3期目を決めるとの見方が大勢だ。党大会の報道官は15日に記者会見し、活動報告の起草グループ長を習氏自身が務めていると明かした。党大会では、次の指導者が起草の責任者を担うのが慣例だ。習氏が3期目入りを確実にしたとの受け止めが広がっている。
会期中には、党規約の改正案も審議する。習氏の党の核心としての地位と、習氏の政治思想の指導的な地位を確固たるものとする「二つの確立」を軸に、習氏の権威を高めるキーワードを盛り込む見通しだ。
党大会の最大の焦点は最高指導部である政治局常務委員の人選だ。正式には党大会閉幕後の23日に開く中央委員会第1回全体会議(1中全会)で決める。
現状で7人いるメンバーに、習氏の側近がどれだけ入るかが関心を集める。丁薛祥・共産党中央弁公庁主任などの名前が挙がる。習氏は側近らを幹部に引き上げ、「1強体制」を盤石にしようとしている。
23日に習氏をトップとする新たな最高指導部が発足する見通しだ。
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2022-10-16 02:01:44Z
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