2021年08月19日07時05分
アフガニスタンでイスラム主義組織タリバンが全土を掌握し、新体制づくりに乗り出した。組織の実態や近隣国の反応について、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)客員教員で、対テロ、国際安全保障の専門家サッジャン・ゴヘル氏に聞いた。
―タリバンはなぜ急進撃できたのか。
米国はアフガンの兵力を約30万人と言い続けたが、戦う能力のある兵士はずっと少なかった。他方、タリバンの兵力は一般に言われる7万~8万人よりもはるかに多い。タリバンは1990年代の弱点、特に北部の早期掌握に重点を置いた。周到に戦略を立て、機が熟すのを待っていたはずだ。
―タリバンが以前と異なる点は。
今のタリバンはメディアに精通している。組織が変化したかのようにアピールするすべを知っている。だが、実態は昔も今も同じだ。アイデンティティーの土台には女性蔑視がある。自身の主張とは懸け離れた抑圧的な組織だ。
―民衆の支持はあるのか。
タリバン戦闘員のほとんどは隣国パキスタンのマドラサ(イスラム神学校)で教化されたアフガン人で、一部はパキスタン人だ。アフガン南部で部族的つながりによる支持が幾分あると考え得るが、他の地域で大衆の支持はない。
―近隣国の反応は。
パキスタンは最大の受益者だ。戦略的にタリバンと最も近い関係にあり、常に強く支援してきた。重要な戦略的勝利と言える。
―中国はどうか。
中国も潜在的な受益者だ。中国はタリバンと関係と対話を確立するのが極めて早く、また、それは主にパキスタンの仲立ちで実現した。中国はアフガンに多大な投資をし、巨大経済圏構想「一帯一路」につなげたがっている。中国は一方で、アフガンがテロの温床になり、隣接する新疆ウイグル自治区に波及することを懸念し、そうしたことが起きないようタリバンに求めている。
―タリバンと国際テロ組織アルカイダとの関係は。
アルカイダとは世代を超えた深い関係がある。イデオロギーや戦闘員の家族同士の結婚で生じたつながりを土台にした信頼関係で結ばれている。タリバンは公式のプロパガンダとして、アフガンを過激主義の場所にはしないと言うだろうが、それを真に受けることはできない。
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2021-08-18 22:05:00Z
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