【ワシントン=黒瀬悦成】バイデン米大統領は8月31日、アフガニスタン駐留米軍の撤収完了を受けてホワイトハウスで米国民向けに演説した。バイデン氏は、アフガンからの米民間人やアフガン人協力者らの退避作戦は「とてつもない成功だった」と自賛する一方、「私は永遠の戦争を続ける気はない。戦争を終わらせるときだ」と述べ、アフガン撤収の判断は正しかったと強調した。
バイデン氏は、「私にとっての優先事項はアフガンを二度と対米攻撃の拠点にさせないことだ」と述べ、これらの目的は既に「10年以上前」に達成されていると主張。「米軍がアフガンに駐留を続けたとしても米国の安全が強化されるとは信じない」とも語った。
また、「大規模な軍事作戦で他の国々を作り替える時代は終わった」とも指摘したほか「アフガンで地上戦闘を続ける必要はなくなった」と強調し、今後はテロ組織を遠隔地から攻撃するなどの短期間かつ小規模の作戦に軸足を移していくとの立場を示した。
また、テロ対策のためアフガンに一定の規模の部隊を残留させておくべきだったとする意見に対しては「低コスト、低烈度の戦争など存在しない」と反論し、撤収は「米国にとって正しく賢明で最善の選択だと信じる」と訴えた。
カブール国際空港で米兵13人を含む180人以上が犠牲となった自爆テロを実行したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」系武装勢力の「ホラサン州」(IS-K)に対しては「(報復は)まだ終わっていない」と述べ、今後もIS-Kへの「強烈で無慈悲な戦術攻撃」を展開していくと強調した。
バイデン氏は一方、退避作戦を実施した米軍の輸送機に乗ることができず、アフガンに取り残された100~200人の米国民の救出に「期限はない」と述べ、退避を希望する者は引き続き支援に力を尽くしていくと表明した。
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2021-08-31 22:10:59Z
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