【ワシントン=永沢毅】米連邦議会占拠事件を扇動したとして下院で弾劾訴追されたトランプ前大統領の弾劾裁判の実質的な審理が9日、上院で始まった。退任した大統領を弾劾裁判にかけることの合憲性を巡って採決し、賛成56、反対44の賛成多数で合憲との判断を示した。
共和党は所属議員50人のうち6人が民主党に同調して賛成に回ったが、残る44人は反対した。検察官役を務める民主党は退任後でも裁判の対象となりうると主張。トランプ氏の弁護団は「私人への裁判は違憲」として裁判に根拠はないと訴えた。
これに先立ち、9日は裁判の進め方を定める運営規則を賛成89、反対11で可決した。反対したのはクルーズ上院議員ら全員が共和党だった。上院(定数100)の勢力は民主、共和両党が50議席ずつ。有罪評決には出席議員の3分の2が必要で、共和党から17人の造反を要するためハードルは高い。
10日からは正式な冒頭陳述が始まり、民主党とトランプ氏側がそれぞれ最大16時間を使って議会占拠を巡る主張を展開する。陪審員役の上院議員の質疑応答、最終弁論などを経て評決に移る運びだ。
上院は追加の新型コロナウイルス対策や人事の承認など処理すべき案件が山積しており、民主党には裁判の短期決着をめざす向きがある。
トランプ氏の弾劾裁判は2020年1~2月に続いて2回目で、退任後の大統領を対象とした裁判は史上初めて。上院では弾劾裁判が始まる前の1月末にも合憲性を巡る類似の採決をしており、共和党で合憲との判断を示したのは5人にとどまっていた。
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2021-02-09 22:33:58Z
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