Jumat, 01 Januari 2021

メイクの世界でも人種差別が問題に どこまでOK? どこからNG? - Newsweekjapan

<多様化、グローバル化する現代にあって、美の基準は?>

人種差別をなくそうという動きは、ここ数年色々な分野で活発にみられる。特に2020年は、中国から発生したコロナウイルスのパンデミックによるアジア人差別、そしてアメリカで白人警察官による黒人市民をへ抗議"Black Lives Matter"が、世界的に大きなうねりとなり、声を上げる人びとが増えた。

一方で、日本では最近化粧品会社DHCの社長が嫌韓ヘイト発言を公式ホームページに掲載したことをめぐり批判が集まる騒ぎにもなった。

そんななか、最近コスメをめぐっての人種差別トラブルが話題になっている。メイクは、肌の色や顔のパーツを強調する手法が多いため、誤解が起きたり無意識の差別に繋がっていると感じる人も多いようだ。

人気ユーチューバーもチャレンジ「フォックス・アイ」

最近のコスメ界でのトレンドが物議を醸した例といえば「フォックス・アイ」メイク法だろう。

切れ長の目を強調するため、アイラインを少し太めに長く書き、日本でいう「跳ね上げアイライン」のように目尻を演出する方法で、西洋人を中心に大流行した。アメリカの人気モデルであるベラ・ハディッドやケンダル・ジェンナーなどが始め、その後一般人にも流行していったと言われている。

狐のような目元になるため「フォックス・アイ」と名付けられ、インスタグラムを中心にSNSでハッシュタグ#FoxyEyes や #fox_eye_makeup、フォックスアイ・チャレンジも登場したほどの人気だった。

メイク法や化粧品を紹介する人気ユーチューバーたちも、このメイクを取り上げ、メイク方法をアップすればたちまち人気動画となった。

キツネ目は東洋人差別?

しかし、一方でこのメイク法が今、アジア人差別ではないかと論争になっている。

アジア人の特徴ともいえる切れ長の吊り上がった目を強調しているとし、昔からアジア人を卑下する「目を横に引っ張り細めにする動作」を連想させると批判を浴びているのだ。さらに、インスタグラムでは、このメイクの写真を撮るときに、手元をこめかみに添えて目を強調する人が多いのだが、これもアジア人差別を思わせるという。

特に、スタンフォード大学の学生新聞に寄稿した17歳のアジア系アメリカ人、ソフィア・ワンさんの記事は注目された。

彼女は記事の中で「(このメイクのトレンドは)古い固定観念と古い嘲弄を引き起こす新しい流れである。 これは私のような(アジア系の)人々を不快にさせている。今こそこの差別について話す時がきた」と強く反対意見を語っている。

その後、フォックス・アイ写真や動画をアップしたユーチューバーやインフルエンサーたちのコメント欄には、「アジア人差別を辞めて欲しい」というようなコメントが多く寄せられ、その後謝罪のメッセージを載せる人も増えてきた。

だが、もしもアジア人メイク/アジアン・アイなどの名前が付けられていたり、馬鹿にしたような「おふざけメイク」だったとしたら、批判の対象になるのはわからなくもないが、新しい美の基準が、自分たちがもともともっていた特徴と一致したことで批判の対象にするのはやりすぎではないだろうか?

もちろん、写真のポーズが目元を横に引っ張るアジア人卑下のポーズを連想させるなら、その気がなくとも傷つけることになってしまうためやめるべきだ。

しかし、日本のユーチューバーやインフルエンサーのメイク法を見れば「外国人風」といって眉と目の間を短くする方法や、ほりを深く見せる方法が紹介されている。どれも西洋的美しさに近づくよう開発されたメイク法だ。肌を必要以上に黒く見せるメイクをしたり、目を大きく見せたいがために涙袋を書いたり整形でわざわざ作ったりするが、外国人にはなぜそんなことをするのか理解できないという意見もある。

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2021-01-01 07:00:00Z
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