■ 「コロナ恐れるな」と強気の大統領 ドナルド・トランプ米大統領(74)が10月5日夕(日本時間6日朝)、新型コロナウイルス感染のため3日間、治療を受けていた首都ワシントン近郊のウォルター・リード軍医療センターを退院した。 ホワイトハウスに戻り、執務と並行して療養する。 トランプ氏は退院に先立ち、ツイッターに「気分はとても良い。新型コロナを恐れるな」と投稿。 早期退院の判断には、病状の改善に加え、残り30日を切った大統領選への危機感もあるとみられる。 トランプ氏は10月2日にホワイトハウスで体調を崩し、酸素吸入を受けて入院。 専属医によると、2日には、高熱を出し、血中酸素濃度が低下したため、治療薬「レムデシビル」が2回投与された。 その後、通常重症患者に用いられるステロイド系抗炎症薬「デキサメタゾン」が投与された。 「デキサメタゾン」は呼吸補助が必要な重症患者には有効だが、軽症患者には逆効果になる危険性があると指摘されている。 裏を返せば、大統領は2日の時点では重度の呼吸困難に陥っていたことになる。 ホワイトハウスに戻ったトランプ氏はこれからどうするのか。 陽性反応を示したメラニア夫人は自宅療養中。 大統領の最側近の女性2人、ホープ・ヒックス渉外部長兼政治担当補佐官とケイリー・マケナニー報道官は感染して隔離。 (ヒックス氏が大統領にコロナウイルスを感染させたのではないかと穿った憶測も出ている) 今のところぴんぴんしている最側近は今年4月に首席補佐官に急遽抜擢されたマーク・メドウズ前下院議員(ノースカロライナ州選出)ぐらいなものである。 (メドウズ氏は大統領の容体について専属医の発表よりもより具体的に記者団に漏らしたとして大統領の逆鱗に触れたとされている)
いずれによ、トランプ氏が戻ったホワイトハウスは今やコロナウイルスだらけの白亜の館と化している。 大統領と家族が暮らすメインハウス。 大統領執務室や閣議室、国家安全保障会議室、副大統領はじめ上級スタッフのオフィスのあるウエストウィング。 ファーストレディとスタッフのオフィスのあるイーストウィング。 感染者のトランプ大統領がマスクをせずに(もはやそんなことは二度としないだろうが)歩き回られたら在宅勤務できないスタッフやシークレットサービスやコックや清掃従業員はたまったものではない。 現在ホワイトハウスに住み込みで働いている従業員は約90人。そのほとんどは黒人とヒスパニックだ。 大統領のわがまま(? )がどのような事態を招くのか、米メディアはまだ報じていない。 ■ 必然の韓国パッシング 「トランプ大統領退院」の速報を大統領専用機の機上で聞いたのはマイク・ポンペオ国務長官だった。 ポンペオ国務長官は、日本を訪問するため、日本時間の10月5日午前、米国を出発。6日夕刻東京入りし、直ちに茂木敏充外相との会談に臨んだ。 当初は日本のほか、韓国とモンゴルに立ち寄る予定だったが、大統領のコロナ感染でキャンセルとなった。 「重症を負っている米韓関係」(千英宇・元青瓦台外交安保首席秘書官)の改善もトランプ・ポンペオ外交では二の次、三の次のアジェンダでしかないことを露呈した格好だ。 出発に先立ちポンペオ長官は、東京で開かれる4か国(日本、米国、オーストラリア、インド)による外相会議の成果に強い期待を示し、こう述べた。
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2020-10-06 22:38:11Z
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