【ワシントン=黒瀬悦成】9月29日に行われた米大統領選の1回目の候補者討論会で、共和党のトランプ大統領が白人至上主義勢力への明確な批判を避けたことが波紋を呼んでいる。民主党のバイデン前副大統領は、トランプ氏が白人至上主義や極右思想を擁護していると攻撃材料にしており、トランプ氏の態度は公開の場で批判をはねのける機会を自ら逸した形となった。
トランプ氏は討論会で、司会者から「白人至上主義勢力や民兵組織を非難し、(過激勢力による抗議行動と衝突して)暴力に拍車をかけないよう、身を引くように求めるか」と聞かれると、「暴力のほとんどは右翼でなく左翼が起こしている」と指摘した上で、右翼団体「プラウド・ボーイズ」に「下がって待機せよ」と呼びかけた。
一方、プラウド・ボーイズのメンバーはこの発言をトランプ氏が団体の活動を認知したものと受け止め、歓迎を表明。メディアや有識者からはトランプ氏の発言は「暴力を誘発する」として批判が相次いだ。
これに対しトランプ氏は30日、記者団に白人至上主義を糾弾するかと聞かれ、「いかなる形であれ、そうしたものは糾弾し続けてきた」と強調。また、「プラウド・ボーイズが誰か知らない」とし、「誰であれ引き下がるべきだ」と語るなど釈明を強いられた。
プラウド・ボーイズは「西洋文明の優越性」を訴える国粋主義的な団体で、自らを極左運動「アンティーファ(ANTIFA)」の対抗勢力に位置付けている。
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2020-10-01 07:36:00Z
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