4日、主治医のコンリー氏はトランプ大統領の容体について「改善が続いている」と説明した=AP
【ワシントン=中村亮】新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領の主治医らは4日の記者会見で、トランプ氏が5日にも退院する可能性があると説明した。重症者向けに推奨されているステロイド薬の投与を始め、容体の安定に向けて警戒を続けている。
主治医のショーン・コンリー氏はトランプ氏の容体について「改善が続いている」と指摘した。別の医師は「きょうのような容体が続けば明日にも退院し、ホワイトハウスで治療を継続する計画が立てられることを望んでいる」と述べた。トランプ氏は2日、ワシントン郊外のウォルター・リード軍医療センターに入院した。
コンリー氏らによると、トランプ氏は2日に「高熱」の症状があった。血中酸素濃度が2日午前と3日午前に低下し、一時は正常値の下限とされる95%を下回るときがあった。コンリー氏はこれまで「トランプ氏はとても元気だ」と楽観的な見方を示したが、4日の記者会見では「(健康状態に)頻繁な浮き沈みがある」と修正した。
容体の安定に向けてトランプ氏は3日、ステロイド薬「デキサメタゾン」の使用を始めた。同薬は肺疾患や感染症などさまざまな疾患に使用されている。米国立衛生研究所(NIH)はデキサメタゾンについて、人工呼吸器が必要な重症患者などに使用を限るよう推奨している。コンリー氏は「早期使用のプラスの効用が(副作用などの)どんなリスクもおそらく上回る」と投与の理由を説明した。
トランプ氏は2日、コロナ治療で効果があるとされる抗ウイルス薬「レムデシビル」の使用も始めていた。使用は5日間続く見通しだ。仮にトランプ氏が5日に退院してもホワイトハウスでの治療は続き、外出や他人との接触は厳しく制限される公算が大きい。
トランプ氏は4日、ツイッターで「病院の周辺に集まる全てのファンや支持者に深く感謝する」と書きこんだ。ツイッターにトランプ氏の選挙陣営が作成した「投票の準備をしよう」という表題のリンクを貼り付け、11月の大統領選に向けて自身への投票を促した。
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2020-10-04 18:34:32Z
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