Selasa, 21 April 2020

「金正恩の死」を睨んで動き始めた世界 - JBpress

とりあえず体制の安定を望む米中、後継者は妹の金与正か

北朝鮮の金正恩委員長が手術というニュースを食い入るように見るソウル市民(4月21日、写真:ロイター/アフロ)

 米CNNは4月21日(現地時間)、「米情報当局が金委員長が重体という情報を監視中」と、米情報当局者を引用して伝えた。

 また、ソウル発のロイター電は、韓国の北朝鮮専門ニュースサイト「デイリーNK」の情報として、「金正恩氏は、今月11日の党政治局会議に出席した後、香山郡の病院に向かい、12日に心血管系の手術を受け、現在も近くの別荘で療養中という」と報じている。

 体型などから見て、心臓疾患であることは首肯できるが、入院治療の理由から新型コロナウイルス感染をいまだ排除できないのではないか。

 なぜなら、「北朝鮮では新型コロナ感染者は出ていない」と公式表明している立場から、心血管系の手術と嘘の情報を流している可能性も否定できないからである。

 この情報に対する関係各国(米国、中国、韓国)の当面の対応などについて考えてみたい。

各国共通の対応

 各国は「この世界的なコロナ禍という事態に、こともあろうに金正恩氏の死という事態は困ったものだ。できれば北東アジアの不安定要素が最小限になるよう穏便に後継体制が決まってほしい」と考えているはずだ。

 そのうえで、各国は情報収集に注力しているところだろう。情報収集の重点は、

①金正恩氏の容態:「死亡」か「生存」か。生存の場合は「植物人間状態か」「判断能力・統治能力があるか(寝たきりであろうと車いすであろうと)」

②後継の行方:妹の金与正氏か、他の血縁か(伯父の金平一氏や兄の金正哲氏など)

③軍の動向:②と連動しクーデターの可能性はあるか

④「金正恩委員長が重体」説に対応する関係各国の動向は

 特に米中は相互に監視し合うだろう。

 もし、金正恩氏の治療に中国、フランス、ロシアなどの医師が関わっていれば、確度の高い情報が得られるはずだ。

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2020-04-21 21:00:00Z
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