2020年04月26日07時11分
【ワシントン時事】米国で新型コロナウイルスが猛威を振るう中、南部ジョージア州が24日、制約していた経済活動の一部を再開させた。科学軽視との強い批判を押し切る形で、感染拡大を防ぎつつ経済の痛みを和らげるという「実験」に動きだした。
米メディアによると、州都アトランタ近郊のボウリング場ではこの日、開店を待つ人の列ができた。ある男性は感染リスクについて「外出するしないは自由だ」と自己責任を強調した。美容院では、従業員がマスクと手袋を着け、来店した客には検温が行われた。
経済再開に動いた各州の中で、ジョージアは最も再開の幅が広い。27日からは映画館やレストランの営業も可能になる。
同州では5日連続で死者が20人を超え、連邦政府が求める「感染者数の2週間に及ぶ低下傾向」という基準を満たさないまま、経済活動再開に踏み切った。
「安全な職場へ戻ろう」と訴えるケンプ知事(共和党)は、人と人との距離を保つことや、健康状態の確認により「リスクを最小化」すると主張する。
ただ、営業再開が可能となる業種にはマッサージ店なども含まれ、無症状の感染者を通じた感染拡大リスクが残る。「数週間後には感染者が急増する」(アトランタ市長)という懸念は根強い。
企業や商店も慎重だ。米メディアの取材に応じた理髪店主は不安を感じながらも「従業員の生活のため」と営業再開を決めた。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、百貨店大手メーシーズなど、州内での営業再開を控える企業が目立つ。安全性のリスクに加え、入場制限で十分な利益が見込めない事情も影響しているという。
経済活動再開の旗を振ってきたトランプ大統領も及び腰だ。24日のツイッターでは「彼(ケンプ知事)にはOKだとは一言も言っていない」と距離を置く姿勢を示した。
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2020-04-25 22:16:46Z
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