【モスクワ=小川知世】ロシア当局が毒殺を図った疑いが持たれているロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏が17日、療養先のドイツから帰国した。当局は帰国直後に同氏を拘束した。プーチン政権は反政権運動への締め付けを強めており、ナワリヌイ氏の拘束で欧米からの批判が一段と強まりそうだ。
ナワリヌイ氏の広報担当や同行したロシアメディアの中継によると、同氏はモスクワの空港で入国審査の際に当局に連行された。同氏は到着後に「何も恐れていない。自分が正しいと知っているからだ」と記者団に語っていた。
ナワリヌイ氏が搭乗した航空機は到着先の空港を変更して着陸した。到着を予定していた空港では支持者らが集まるのを防ごうと治安当局が厳戒態勢を敷いた。独立系メディアによると、同氏に近い活動家や支持者ら20人以上が拘束された。
背景にはナワリヌイ氏の帰国で、反体制派が勢いづくことへの政権の警戒がある。同氏は国内の反体制派で最も影響力を持ち、9月に予定する下院選で政権与党の勝利に脅威となりかねない。
当局は14日、ナワリヌイ氏が過去に受けた有罪判決を巡り執行猶予中の出頭を怠ったとして、拘束に向けて「あらゆる措置」を取ると発表した。昨年末には同氏が活動で集めた寄付金を詐取したとして刑事捜査も始まった。拘束を警告し、帰国を阻止する狙いがあったとみられている。
ナワリヌイ氏は13日に帰国を表明した。当局の対応は国内外で注目を集めており、欧米や支持者の反発は必至だ。同氏を巡っては毒殺未遂を訴える欧米と、否定するロシアが対立を深めた。欧州連合(EU)は猛毒の神経剤で暗殺が図られたとして、2020年10月に対ロ制裁を発動。ロシアも報復措置を講じた。
ナワリヌイ氏は20年8月にロシア国内を移動中の飛行機内で体調が急変し、ドイツに移送されて治療を受けた。英調査報道機関などはロシア連邦保安局(FSB)職員が事件に関わったと指摘した。ロシアは関与を否定し、同氏が米情報機関の支援を受けていると主張している。
https://news.google.com/__i/rss/rd/articles/CBMiPGh0dHBzOi8vd3d3Lm5pa2tlaS5jb20vYXJ0aWNsZS9ER1haUU9HUjE3M1I1MFgxMEMyMUExMDAwMDAwL9IBAA?oc=5
2021-01-17 18:41:28Z
52783006849309
Tidak ada komentar:
Posting Komentar