<ウクライナ東部で激しい空爆を続けるロシア軍に対し、ほとんどなすすべがないように見えるウクライナ。西側の戦闘機はいったいいつ届くのか>
ウクライナ戦争における空の戦いでロシア軍は依然として優勢を維持している。だが、これに対抗するためのF-16戦闘機はいまだに届かない。その上、近く最新鋭戦闘機グリペンをウクライナに供与するはずだったスウェーデンは、計画を一時中止すると発表した。
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スウェーデン政府関係者によれば、同国製のグリペン戦闘機の引き渡しを一時停止するのは、F-16戦闘機の供与が円滑に進むようにするためだという。
「F-16提供に関する国々から、グリペンの供与を待つよう要請された」と、スウェーデンのポール・ヨンソン国防相は28日に明かした。「ウクライナは今、F-16を受け入れるプログラムの実施に集中すべきだ」
F-16 REUTERS
グリペンは最も近代的な西側製戦闘機のひとつであり、機動性ではロシアのスホーイやミコヤンに対抗できるだろう。だがウクライナは、ロシア空軍の航空戦力に対抗するには、少なくとも現時点では、F-16を優先すると決定したという。
アメリカ製F-16戦闘機は、ウクライナ軍で酷使されてきたMiG(ミグ)-29、Su(スホーイ)-24、Su-25に取って代わることになる。いずれも冷戦時代に登場したジェット機で、その性能はロシア側も熟知している。
F-16のパイロットの訓練には6カ月から8カ月かかると見積もられており、ベルギーが30機、デンマークが19機を数週間以内に移送する予定。オランダも同様のスケジュールを計画している。だがそのスケジュールは早まるより後ずれしがちだ。
汎用性の高さが魅力
F-16の操縦をマスターした後に、ウクライナがスウェーデンから受け取るかもしれないグリペン戦闘機について、現在わかっていることは以下の通り。
スウェーデンのサーブ社が開発したJAS 39グリペンは、1996年に登場して以来、さまざまな国の空軍に不可欠な存在となっている。敏捷性とコストパフォーマンスの高さで知られており、ブラジル、チェコ共和国、ハンガリー、南アフリカ、タイで使用されている。
軽量の多用途戦闘機として設計されたグリペンは、先進的なアビオニクス、レーダー、兵器システムを組み合わせ、メンテナンスの容易さ、迅速なターンアラウンド、運用の柔軟性で際立っている。さらに、多様なミッション・シナリオで効果的に機能できる。
最大速度はマッハ2(時速約2400キロ)以上、高度15000メートルまで上昇できる。内部燃料を使用した場合の戦闘半径は約800キロ、外部タンクを使用した場合の運航航続距離は約3700キロに達する。
グリペンにはPS-05/AやレイヴンES-05 AESAレーダーのような先進的なレーダーシステムが搭載されており、空中と地上の両方で複数の目標を高い精度で追跡することができる。また、空対空ミサイル、空対地弾、精密誘導爆弾など、さまざまな兵器を搭載できる。
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2024-05-30 03:52:21Z
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