Kamis, 16 Mei 2024

スロバキア首相銃撃、欧州の政治的分極化が最悪の形で露呈 強権政策に市民ら反発 - 産経ニュース

15日、スロバキア中部ハンドロバで銃撃事件前、記者会見に臨むフィツォ首相(中央)(ロイター=共同)
15日、スロバキア中部ハンドロバで銃撃事件前、記者会見に臨むフィツォ首相(中央)(ロイター=共同)

【ロンドン=黒瀬悦成】中欧スロバキアのフィツォ首相が15日に銃撃された事件は、移民流入や強権的指導者の台頭などを巡る欧州の政治的分極化が最悪の形で露呈させた。民主的手続きで選ばれた指導者を暴力で封殺しようとする風潮が他の欧州諸国にも波及する「前兆」として警戒する声も出ている。

昨年10月に3度目の首相に就任した中道左派のフィツォ氏はポピュリスト(大衆迎合主義)的な政治手法と親ロシア的姿勢で知られる。スロバキアは北大西洋条約機構(NATO)加盟国だが、フィツオ氏はウクライナ軍事支援停止を就任直後に正式表明した。

欧州連合(EU)などが進める対露経済制裁にも、スロバキアは自国経済に悪影響を与えるとして否定的だ。同様の立場をとるハンガリーのオルバン首相と連携を強め、欧州の対露結束を揺さぶっている。

内政面でフィツォ氏は移民や難民の流入を徹底的に阻止すると表明。EUが移民・難民受け入れの負担を加盟国間で分担するとした新協定にも批判的だ。

同時にその国内の統治手法には強権的との警戒も強まっていた。フィツォ氏は公共放送局を廃止し、与党寄りのメディア設立を議会に提案。報道機関や親欧米派の野党勢力などから「言論の自由を侵害しかねない」と強い反発を浴びている。

汚職や組織犯罪を捜査する特別検察官制度の廃止を軸とする司法改革の取り組みを進め、「与党政治家の汚職隠しが最大の狙いだ」などと批判もされている。フィツォ氏には2度目の首相を務めていた2018年、政権幹部の汚職問題を取材していた記者が何者かに殺害され、首相の関与を疑った市民らの抗議デモを受け辞任に追い込まれた経緯がある。

一連の政策に抗議する大規模デモは首都ブラチスラバなどで繰り返されており、与野党それぞれの支持勢力はソーシャルメディアで中傷合戦を展開し、対立が先鋭化。銃撃の容疑者として拘束された71歳の作家は、親露派民兵組織と一時関係していたとされる一方、公共放送局廃止に批判的だったとも報じられ、警察は動機との関連を捜査するとみられる。

一方、フィツォ氏の側近の一人は記者団に、銃撃は「メディアと野党勢力によるフィツォ氏への憎悪の拡散が原因だ」と主張。6月に大統領に就任するぺレグリニ国会議長は「異議表明は民主的かつ合法的であるべきだ」と訴えた。

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2024-05-16 05:43:25Z
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