米財務省の高官は、ロシアの石油輸出価格への上限設定を目指す複数の主要国による提案が、1バレル=140ドル前後への国際的な価格高騰を防止する上で極めて重要になるとの見解を示した。
イエレン米財務長官のアジア歴訪に随行したこの高官は都内で記者団に語った。イエレン長官は10日間の日程でアジアを訪問中で、韓国も訪れるほか、15ー16日にはインドネシアのバリで開かれる20カ国地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席する。
長官は各訪問先で政府当局者に上限設定案への支持を要請する計画。同案の検討は先の主要7カ国首脳会議(G7サミット)で合意された。
欧州連合(EU)諸国は既にロシアからの石油輸入の大部分を年末までに終了する方向だ。また、EUと英国はロシア産石油製品を輸送するタンカーへの保険を禁止する計画。EUと英国、米国はロシア産石油製品海上輸送の推定90%に保険を提供しているため、この措置が講じられれば、最大で日量500万バレルの石油や石油精製品が国際市場から奪われる可能性がある。
これほどの量のロシア産製品が市場から締め出されることになれば、石油価格を著しく上昇させ、1バレル=140ドル程度に達する可能性もあるとする米財務省の分析に高官は言及した。ただ、これはモデルを用いての推定であり、正確性は高くないと判明する可能性もあると付け加えた。
価格抑制案の支持者らは、ロシア政府に輸出継続のインセンティブを与えるに十分な価格を上限に設定したい意向で、1バレル=40-60ドルのレンジと推定されている。
かなりの量のロシア産エネルギーを輸入している日本はこれまでのところ、同案の支持には至っていない。ロシアの輸出継続インセンティブを完全に取り除かないよう、日本政府は低過ぎない上限設定にするよう確認を求める公算が大きいと米財務省高官は都内で話した。
原題:Treasury Says Russian Oil Price Cap Key to Avoid New Cost Shock(抜粋)
(高官発言を追加して更新します)
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2022-07-12 04:18:25Z
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