不道徳なだけではなく不法な行為に
この法案は州の民法を改定するもので、相手の同意を得ずに、コンドームを外す行為が性的暴行になる。そして被害者は、加害者に対して訴訟を起こすことができる。 法案を提出したクリスティーナ・ガルシア議員は、法案が可決されれば、「ステルシングが単に不道徳な行為ではなく、違法行為になる」とコメントしている。
身体的・精神的苦痛を与えるステルシング
ニューヨークタイムズによると、ガルシア議員が法案を提出するきっかけとなったのは、ステルシングについて警鐘を鳴らした2017年のイエール大学の研究だという。 この研究は、ステルシングが被害者を妊娠や性感染症の危険にさらし、尊厳を侵害すると指摘している。 また、オーストラリア・モナシュ大学の2018年の研究では、女性の3人に1人(32%)、男性とセックスをする男性(MSM)の5人に1人(19%)が、ステルシングを経験していた。 さらに、2019年に発表された研究では12%の女性がステルシングの被害にあったことを報告。別の研究では、10%の男性が、パートナーの同意なしにコンドームを外したことを認めていた。
ステルシングは身体的・精神的に有害な影響を及ぼすことも明らかになっている。上記のモナシュ大学の研究では、被害者の半数が精神的苦痛を経験していた。 また女性のセックスワーカーや、不安やうつ病を抱えるMSMの人たちなど、弱い立場にいる人たちほど特に被害を受けていたこともわかっている。 ガルシア議員も、長期にわたって身体的・精神的に有害な影響を及ぼすと指摘し、「ステルシングを擁護し、推奨し、そしてパートナーの同意なしにどうやってコンドームを外すかアドバイスするオンラインコミュニティがあることを非常に腹立たしく思います。しかしそれを犯罪にする法律がないのです」と述べている。 AP通信によると、アメリカでは、ニューヨーク州とウィスコンシン州でも類似の法案が提出されたことがあるが、いずれも可決されなかった。 カリフォルニア州知事が署名すれば、ステルシングはアメリカで初めて違法扱いになる。 法的権利擁護団体の「エロティック・サービス・プロバイダーズ・リーガル・エデュケーショナル・リサーチ・プロジェクト」も、「セックスワーカーがコンドームを外したクライアントを訴えることができるようになる」と法案を支持している。
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2021-09-12 09:34:03Z
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