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半年後に迫った韓国の次の大統領選挙。与党の候補者を選ぶ予備選挙で、“対日強硬”姿勢で知られる李在明氏が本命候補の立場を固めつつあります。一方で、野党の最有力候補、尹錫悦氏は支持率に陰りが出て、明暗が分かれています。韓国大統領選挙の最新の情勢についてNNNソウル支局の原田敦史支局長が解説します。 大統領選をめぐっては、与野党でここ数日、めまぐるしく状況が動いています。 まず、文在寅政権を支える与党「共に民主党」の動きですが、公認候補選びが山場を迎えています。構図としては李在明京畿道知事や、李洛淵元首相ら6人の争いでしたが、13日午後、丁世均前首相が辞退し、5人に絞られました。 予備選は全国を11の地域に分けて、9月4日から党員らの選挙が地域ごとに行われていますが、12日までに4つの地域で連続して李在明氏が過半数を獲得しました。 これ以外に事前登録した国民らによる投票の結果が3回に分けて発表されます。この部分は、票数が多く、予備選挙の行方を左右するため、「スーパーウイーク」と呼ばれていますが、12日、1回目の結果が出てここでも李在明氏が過半数を取りました。 ここまでの累計で李在明氏の得票率は51%、2番手の李洛淵氏は31%と20ポイントの差がついています。 ──すでに李在明氏が優勢になっている? 李在明氏が与党の大統領候補の「本命」になりつつあると言える状況です。対する2番手の李洛淵氏は、自身の政治基盤である南部の全羅南道などで巻き返しをはかります。 まずは李在明氏の過半数の得票を阻止して2人による決選投票に持ち込んだ上で、ほかの候補に流れていた票も合わせて、逆転を狙うシナリオを描いています。 李洛淵氏は先週、国会議員を辞職する考えを示し、すでに議員会館から荷物も運び出して「背水の陣」で臨む構えです。 この2人は同じ李という名字ですが、共通項はそれしかないと言われるほど異なっています。かたや“対日強硬”、かたや“知日派”と対日観もかなり異なっていて、10月10日にどちらが公認候補になるのかは日本にとっても重要な節目となります。 ──一方で野党は、前検事総長の尹錫悦氏が優勢? やや状況が変わってきていて、最近、尹錫悦氏の勢いには陰りがみられます。9月9日のSBSテレビの世論調査では、李在明氏が27.8%に対し、尹錫悦氏は19.3%と差が開きました。 また、野党のベテラン洪準杓氏が12.6%と大幅に支持を伸ばし全体で3番手につけています。野党候補に限った調査では複数の世論調査で、すでに尹氏の支持が、洪氏を下回る結果も出ています。 尹氏の失速の要因となっているのは、ある疑惑です。検事総長当時に、側近の検事が尹氏に批判的な与党側の人物などを刑事告発するよう野党側に働きかけたというものです。この問題については文政権が、検察改革の柱として立ち上げた新しい捜査機関「高位公職者犯罪捜査庁」が、9月10日に関係先の家宅捜索に着手しました。 韓国メディアによりますと、尹氏本人についても被疑者として職権乱用など4つの容疑で捜査が行われています。 尹氏本人は関与を否定し、「政治工作だ」と反発していますが、連日、韓国メディアの報道が続いていて、尹氏にとって、さらに打撃になる可能性があります。 世論調査では、政権交代を望む声が依然、半数を超えていますが、その声の受け皿となる候補者選びは、混沌としてきたと言えそうです。また、尹氏をめぐる捜査は今後、与党側に有利に働くものとみられ、大統領選挙全体の構図にも大きな影響を与えそうです。
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2021-09-13 16:44:56Z
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