<アメリカで外交窓口の「台北経済文化代表処」の名称変更の動きが伝えられ、中国メディアは「実力行使」を求める社説>
台湾がアメリカに置いている外交窓口機関「台北経済文化代表処」を「台湾代表処」に名称変更することをアメリカ政府が認めれば、経済的にも軍事的にも「深刻な」結果を招く――中国の政府系報道機関がそう警告した。外交機関の正式名称に「台湾」が入ることは中国にとって容認できることではない。
名称変更については、英紙フィナンシャル・タイムズが10日、バイデン政権が認めるかどうか検討中だと報じた。中国共産党機関紙人民日報系のタブロイド紙の環球時報は12日、もし名称変更を認めるなら中国政府の怒りを招き、軍事的にも経済的にも厳しい対応が待っているだろうと指摘した。
「もしアメリカと台湾が名称変更を行うなら、中国の反国家分裂法に抵触する恐れがあり、中国はアメリカと台湾の傲慢と戦うために厳しい経済的・軍事的措置を取らざるを得なくなるだろう。そうなれば、中国は厳しい経済制裁を台湾に科すべきだし、状況によっては経済封鎖も行うべきだ」
中国は、台湾は領土の一部であるとする「1つの中国」原則を掲げており、アメリカ政府に対しこの原則に抵触するような形で台湾を支援しないよう、以前から警告を繰り返してきた。
フィナンシャル・タイムズによれば、バイデン政権内で名称変更を支持する動きがあったとしても――例えば国家安全保障委員会(NSC)インド太平洋調整官のカート・キャンベルは支持派だと伝えられる――最終的な決定は行われておらず、変更にはジョー・バイデン大統領が大統領令に署名する必要がある。
リトアニアではすでに名称変更が決定
名称変更が行われるとすれば、その背景には米中の緊張の高まりがあるはずだ。
名称変更が現実のものとなった場合には、人民解放軍の戦闘機を台湾上空に飛ばし、台湾空域を人民解放軍のパトロールエリアに入れるべきだと環球時報は主張した。
「名称変更は中国にとって、台湾に対する主権をさらに強く主張する十分な理由となる。人民解放軍の戦闘機が台湾の上空を飛んでも、台湾軍はあえて止めないだろうと予想される。台湾側が攻撃に踏み切る場合には、中国はためらうことなく『台湾独立』勢力に決定的かつ壊滅的な打撃を与えることだろう」
今年夏、台湾はリトアニアと台湾代表処の開設で合意。中国が駐リトアニア大使を召還する騒ぎとなった。
名称変更の可能性については、アメリカ政府も台湾政府も公式にはコメントしていない。だがフィナンシャル・タイムズによれば、駐ワシントンの中国大使館の報道官は、米台がどんな形であれ公式な関係を結ぶことに「強く反対する」と述べたという。
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2021-09-13 09:03:00Z
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