【ベルリン=石崎伸生、モスクワ=田村雄】ドイツのメルケル首相は2日、ロシアの国内便機内で重体となった反プーチン政権運動指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏について、旧ソ連が開発した神経剤ノビチョクと同系統の毒物が使われたと発表した。ロシア政府に真相究明と説明を求める考えも示した。
メルケル氏は記者会見で、「ナワリヌイ氏はノビチョク系の神経剤を使った攻撃の被害者だ。最も強い言葉で非難する」と述べた。露国内でプーチン政権が関与したとの疑惑があることを念頭に、「ロシア政府だけが回答可能で、答えなければならない重大な問題だ」と指摘した。
ナワリヌイ氏は8月20日に意識不明となり、22日にベルリンの病院に移送された。独軍の研究所が検査した結果、ノビチョク系統の神経剤による中毒症状だと判明した。独政府は駐独ロシア大使に検査結果を伝え、説明を求めるという。
ノビチョクは旧ソ連が1970~80年代に極秘開発し、サリンより殺傷力が強いとされる。2018年に英国で起きた露軍情報機関の元大佐と娘の襲撃事件で使われた。メルケル氏は、化学兵器禁止条約の順守状況を検証するオランダ・ハーグの化学兵器禁止機関(OPCW)と連携する意向も明らかにした。
独政府の発表を受け、欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表(外相)は「化学兵器の使用はいかなる状況でも決して受け入れられず、国際法違反だ」と非難した。英国のドミニク・ラーブ外相は2日、声明を発表し、「禁止されている化学兵器が再び使われたことは到底受け入れられない」として露政府に説明を求めた。
米ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)も2日、「完全に非難に値する。証拠に基づき、ロシアで関与した者に責任を負わせる」との声明を出した。
一方、プーチン政権は、政権が関与したとの疑惑を否定している。ドミトリー・ペスコフ露大統領報道官は2日、「検査データがドイツから届いていない」と述べ、具体的な説明は避けた。タス通信によると、ナワリヌイ氏が最初に搬送された露西シベリアの病院医師は2日、「体内に毒物の形跡はなかった」と強調した。
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2020-09-03 04:32:00Z
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