Minggu, 21 Agustus 2022

フィンランド首相の動画流出問題 私生活めぐり論争 - 産経ニュース

記者会見するフィンランドのマリン首相=5月18日、ローマ(AP=共同)
記者会見するフィンランドのマリン首相=5月18日、ローマ(AP=共同)

【英中部マンチェスター=板東和正】北欧フィンランドのサンナ・マリン首相(36)が知人らと踊る私的な動画がインターネット上で流出した問題で、首相の私生活をめぐる論争が国内外で活発化している。隣国ロシアによるウクライナ侵攻などの課題が山積する中、野党は「(マリン氏の行動は)不謹慎だ」と非難。同氏の支持者や海外の首脳からは「首相にも私生活を楽しむ権利がある」と擁護する意見も目立っている。

英メディアによると、動画は数週間前に撮影されたとみられ、18日ごろに交流サイト(SNS)上に流出。マリン氏が個人宅で開催されたパーティーで、大音量の音楽に合わせて叫んだり、参加者と肌を密着させたりしながら激しく踊っている様子が映っていた。パーティーで薬物が使われた疑惑も報じられている。

問題を受け、マリン氏は「私は薬物を使用したことは一度もない」と釈明し、疑惑を晴らすために薬物検査を受けたと述べた。その上で「私には家庭や仕事があり、友人と過ごす自由な時間もある」とプライベートを楽しむ権利を訴えた。

しかし、一部の国民はマリン氏を「首相としての品性に欠ける」と批判。野党議員も「(パーティーに参加する前に)対露政策や国内の物価高騰への対策に集中すべきだ」と非難した。

一方で、「私生活の自由」を訴えるマリン氏の考えに賛同する声もある。同氏が党首を務める社会民主党の議員は、マリン氏の行動には「(国民の)多くの共感と支持」があると指摘した。事実、2019年に現職として世界最年少の若さ(当時34歳)で首相に就任したマリン氏は若い世代を中心に人気を集めており、ある20代の市民は「国民は首相の職務を評価すべきで、私生活にまで踏み込む権利はない」と話す。

擁護の声が上がる背景には、マリン氏の常識にとらわれない政治手腕が評価されていることがある。同氏はロシアの脅威の高まりを受け、フィンランドの伝統的な軍事的中立方針を転換する議論を牽引(けんいん)。5月の北大西洋条約機構(NATO)加盟申請を主導した。

また、マリン氏は幼少の頃、父親のアルコール依存症が原因で、両親が離婚。母親とその同性パートナーに育てられた経験などから、ジェンダー平等や福祉の強化にも注力している。

ポーランドのモラウィエツキ首相は今月19日、フィンランドのNATO加盟申請を決断したマリン氏を評価。「(パーティーで)踊ったところで何もひどいことはない」と述べた。アイルランドのバラッカー前首相も「政治家は私生活(を楽しむこと)を許されるべきだ」と主張している。

英ジャーナリストのレベッカ・レイド氏はコラムで、英国のチャーチル元首相は大戦中、シャンパンをあおっていたとした上で「誰も彼のプロ意識を疑問視しなかった」と分析。「マリン氏は(私生活を)楽しみながら仕事できることを証明した」と擁護した。

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2022-08-21 04:14:23Z
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