【ワシントン=平田雄介】トランプ米大統領は23日、米政府機関の一般調達局(GSA)が民主党のバイデン前副大統領への政権移行手続き開始を承認したことについて、「米国の国益を第一」に考慮し、GSAに承認を「勧めた」とツイッターで主張した。移行を認めず国益を損なう事態につながれば、退任後の影響力まで失いかねないとの判断もありそうだ。
トランプ氏は大統領選の敗北を認めず「闘い」を続ける姿勢だが、「選挙の不正」を理由にバイデン氏勝利の開票結果を覆そうとする法廷闘争は総じて不発だ。訴えを退けられたり、勝ち目がないとみて弁護団が訴訟を取り下げたりした例も少なくない。
大統領選の激戦州では南部ジョージア州が20日、中西部ミシガン州が23日、バイデン氏の勝利を認定した。同ペンシルベニア州も認定へ準備を進めている。トランプ氏の敗北は公的にも定まりつつあり、政権移行をさらに遅らせるのは難しい状況が生じていた。
米国では本格的な冬の到来とともに新型コロナウイルスの感染者が急増中だ。バイデン氏は円滑な政権移行がなければ「死者がさらに増える」と述べており、トランプ氏には来年1月20日の退任後に責任を転嫁される事態を回避する必要もあったとみられる。
ただ、トランプ氏は政権移行手続きの開始を「勧告」したとするが、判断の権限はGSAにあり、GSAのマーフィー局長はバイデン氏宛の書簡で手続き開始について、「法と事実に基づく独立した判断」と強調。「選挙結果に関する法廷闘争や認定の状況」を踏まえて決断したとしている。
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2020-11-24 09:39:00Z
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