米政府は17日、ロシアのウクライナ侵攻開始以来、ロシアの雇い兵組織「ワグネル」の戦闘員3万人以上が死亡もしくは負傷したという推計を発表した。
米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は17日の会見で、最近だけでもワグネルの戦闘員約9000人が戦闘中に死亡するなど、甚大な被害が出ていると述べた。
ワグネルはロシアの刑務所で受刑者を積極的に募集している。カービー氏は、戦死しているワグネルの多くは、訓練を受けていない受刑者だと話した。
こうした被害をよそに、ワグネルはウクライナ東部の要衝バフムートで少しずつ前進している。バフムート攻略の激戦で、ワグネルはロシア側の攻勢のかなりの部分を担っている。
ウクライナ軍によると、兵士が身を隠す場所のない平地を大人数で突進してくる攻撃に、ワグネルの戦闘員が大量投入されている。ウクライナ軍報道官によると、ロシア側は戦場で倒れた負傷兵を救出せず、戦死した兵の遺体を回収していない。そのため戦場の随所に、「遺体がただ積み上げられただけの場所」ができているという。
バフムートを制圧すれば、ロシア軍は西へ進み、クラマトルスクやスラヴャンスクなどの都市に攻勢がかけられるようになる。
しかし、退役海軍少将でもあるNSCのカービー氏は、バフムート攻略に何カ月もかかっている上、「継続不可能なほどの甚大なコスト」を伴っていることから、ロシア軍がこれ以上進軍するのは難しいかもしれないとの見方を示した。
カービー氏はさらに、バフムートの戦略的重要性を疑問視した。
「(ロシア軍が)バフムートで成功する可能性はあるものの、実質的な戦略上の価値はないので、ロシア軍にとって実際の意味はなかったことになる」と、カービー氏は記者団に話した。
部分的動員からロシア軍の被害急増=英国防省
他方、イギリス国防省は17日、ロシアの正規軍とワグネルの死傷者は17万5000人~20万人にのぼり、そのうち戦死者は4万~6万人に達するとの見方を発表した。
英国防省によると、「ロシア側の死傷者の数は、『部分的動員』が始まった昨年9月以降、大きく急増」している。「現代戦の基準では、負傷者の割合に対して死者の割合が高い。これは、ロシア勢の大半において、きわめて基本的で粗末な医療しか与えられていないことが、おそらく確実に影響している」という。
さらに英国防省は、ワグネルが現場に投入している受刑者のうち最大半数が死傷しているようだとの見方を示した。
ロシアのウクライナ侵攻開始まで、ワグネルは戦闘員5000人程度の小規模な組織で、戦闘員のほとんどは戦闘経験のある元軍人だった。
しかし、ウクライナ侵攻でロシア軍が人手不足に陥った昨年、ワグネルは数万人を追加。アメリカによるとそのほとんどは受刑者だという。
しかし、ロシア軍とワグネルの間の対立が表面化する中、ワグネル創設者のエフゲニー・プリゴジン氏はこのほど、刑務所での勧誘をやめると発表。
「ワグネル部隊の数は減少する。遂行したい任務が実施できなくなる」と、プリゴジン氏は述べた。
プリゴジン氏は、ロシア政府の「化け物じみた官僚主義」がウクライナでの進軍を妨げていると述べ、ワグネルによる戦果をロシア軍が不当に横取りしていると非難した。
ワグネルは、2014年にロシアが一方的に併合したクリミア半島でその活動を開始したとされる。それ以降は、ウクライナ各地やシリア、アフリカ各地で活動し、残虐行為や戦争犯罪を重ねてきたと非難されている。
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2023-02-19 03:20:18Z
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