[ロンドン発]ドナルド・トランプ米大統領は10日、「狂犬」の異名を取ったジェームズ・マティス前国防長官に「悪魔の化身」と呼ばれた超タカ派のジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を解任したとツイッターで発表した。
<動画>ボルトンが北朝鮮に望んだ「リビア方式」の末路(反政府派に捕らわれ殺されたリビアのカダフィ大佐)
「ボルトン氏に昨夜、もうホワイトハウスで働く必要はないと伝えた。私も、他の政権メンバーも彼の助言の多くに強く反対した」「それでジョンに辞めてくれないかと頼み、今朝、受け入れられた。ジョンには非常に感謝している。来週に新しい補佐官を指名する」
ボルトン氏はツイッターで「昨夜、辞任を申し出たところ、トランプ大統領は『明日、話そう』と言った」と解任を否定。ボルトン氏は北朝鮮やイラン、ベネズエラ問題で強硬路線を主張し、アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンとの対話を巡ってもトランプ氏と対立していた。
マイク・ポンペオ国務長官はトランプ氏がツイッターで解任を明らかにしたわずか2時間後の記者会見で「世界の指導者は米政権から1人が去っただけでトランプ大統領の外交政策に重大な変更があると考えるべきではない」と述べ、ボルトン氏と意見対立があったことを認めた。
<朝鮮半島の専門家に聞く>
ボルトン氏はブッシュ(子)政権で国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)や国連大使を歴任、イラク戦争を強行したネオコンの1人。イラン核合意からの離脱やロシアとの中距離核戦力(INF)廃棄条約破棄を主導し、米朝首脳会談では北朝鮮への強硬姿勢を貫いた。
ボルトン氏の解任は日本にとってプラスなのか、マイナスなのか、有力シンクタンク、国際戦略研究所(IISS)アメリカのマーク・フィッツパトリック前本部長(現研究員)に尋ねた。フィッツパトリック氏は日本や朝鮮半島情勢に詳しい核問題の世界的第一人者だ。
――ボルトン氏の解任は米国にとって全体的に良いことですか
「全体的には良いことです。ワシントンは全体として、右派のごくわずかな例外を除いて、ボルトン氏の解任に安堵しています。彼はイラク戦争の悲惨な侵略から何も学ばなかった攻撃的な介入主義者です。すべての軍縮管理と、敵対国との話し合いに反対しました」
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https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190912-00010000-newsweek-int
2019-09-12 06:45:00Z
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