【ドバイ=岐部秀光】サウジアラビア内務省は14日、国営石油会社サウジアラムコの石油施設2カ所が無人機の攻撃を受けて出火したと明らかにした。国営サウジ通信が伝えた。イエメンの親イラン武装組織フーシが犯行声明を出した。現場近くには世界最大規模の石油処理施設や油田があり、同国の原油生産に大きな影響を与える可能性がある。
攻撃を受けたのはサウジ東部のアブカイク、クライスにある施設2カ所。サウジ内務省はすでに鎮火したとしている。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は消息筋の話として、無人機の攻撃を受けてサウジアラムコが生産施設のほぼ半分を閉鎖したと伝えた。日量約500万バレルの原油生産減につながるとしている。世界全体の生産量の約5%に相当する規模だが、在庫を活用するなどして海外の顧客への供給は続けるという。
フーシによるサウジ国内の石油・ガス施設への攻撃としては過去最大規模。フーシはこれまでもサウジ国内の天然ガス施設やパイプライン、タンカーを狙うなど、無人機による攻撃の精度向上を図っていた。
サウジはイエメン内戦に軍事介入し、フーシやその後ろ盾であるイランとの対立を深めていた。フーシによる攻撃はサウジとイランの緊張を高める公算が大きい。
対イラン制裁を巡り、トランプ米大統領は9月下旬の国連総会の場を利用してイランのロウハニ大統領と直接対話する可能性を示唆してきたが、今回の攻撃が中東地域の融和機運に水を差す可能性もある。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49848480V10C19A9MM8000/
2019-09-14 15:20:00Z
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