2020年11月01日17時35分
【エルサレム、パリ時事】トルコとギリシャの沖合のエーゲ海を震源とする10月30日の地震で大きな被害が出たトルコ西部の都市イズミルでは1日も、複数のビル倒壊現場で救助隊による捜索活動が続いた。少なくとも数十人の被災者が、がれきの下になお閉じ込められているとみられ、無事救出できるか「時間との闘い」になっている。
親子4人、23時間ぶり救出 トルコ西部イズミル―エーゲ海地震
地震ではこれまでにトルコとギリシャで少なくとも51人の死亡が確認され、約900人が負傷した。また、津波などの影響で住まいを失った人も多く、トルコのエルドアン大統領は「適切な場所に仮設住宅を設置し、市民が暮らせるようにする。食料を提供することもできる」と述べ、被災者への支援を約束した。
トルコ西部イズミルでは地震により、集合住宅など約20のビルが倒壊した。現地の記者によると、うち2カ所の倒壊現場で、合わせて約60人ががれきの中に残されている公算が大きいという。捜索に際しては、余震もある中で崩落が進む危険があり、救助隊は慎重な作業を余儀なくされている。
これまでに、がれきの中から100人以上が救出された。地震では一般的に、発生後72時間でがれきに閉じ込められた人の生存率が急減するとされ、11月1日の活動が正念場となる。
一方、ギリシャの公営テレビERTは31日、トルコの沿岸に程近いサモス島で「小規模の津波」があったと報じた。映像では、海沿いの道路で自動車のタイヤがすっぽり漬かり、植木が流される様子が確認された。家屋の清掃作業に追われていた住民の男性はERTに対し「大惨事だ」と絞り出し、静かな島に起きた衝撃の大きさを語った。
ギリシャ紙カティメリニ(電子版)によると、ミツォタキス首相は31日、サモス島を視察。地元自治体との対策会議に先立ち「まず知りたいのは被害の全体像だ」と強調した。
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