2020年06月06日21時04分
【高雄時事】台湾南部の主要都市・高雄の韓国瑜市長(62)に対するリコール(解職請求)の賛否を問う住民投票が6日、実施され、リコールが成立した。韓氏は台湾で初めて、リコールにより市長職を罷免される。韓氏が所属する最大野党・国民党にとっては、今年1月の総統・立法院(国会)選の敗北に次ぐ打撃で、弱体化が加速する可能性がある。
高雄市選管当局の最終集計によると、賛成票は93万9090票、反対票は2万5051票で、賛成票がリコールの成立要件だった有権者総数(約230万人)の4分の1(約57万5000票)を大幅に上回った。公選法の規定により、韓氏は7日以内に解職される見通し。投票率は約42%。
韓氏は大勢判明を受けて記者会見し、自身の支持者に感謝の意を表した上で、「130万人以上の有権者が棄権する中での不公平な投票だ」と持論を展開した。
2018年11月の統一地方選で高雄市長に初当選した韓氏は、「韓流」ブームを巻き起こし、一躍時の人となった。その余勢を駆って総統選に出馬したものの、親中国路線が裏目に出て、対中強硬姿勢を鮮明にした民進党の蔡英文総統に大敗を喫した。
リコール運動を展開してきた市民団体側は、韓氏が市長選の際に「総統選には出ない」と公言して当選したのに、「約束を破って出馬した」と批判。総統選期間中に3カ月休職するなど「市政を軽視している」として、罷免を訴えてきた。韓氏のリコール問題は、台湾全土から注目された。
韓氏の解職から3カ月以内に市長選が実施される。高雄を地盤とする民進党が有利な戦いを展開すると見込まれる。規定により、韓氏は4年間、高雄市長選に出られない。
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